バッティング時の適切なインパクトの位置は、身体の少し前。肘が伸び切るか伸び切らないか。そのあたりでボールを捉えると、最大の力を発揮しやすくなります。
この記事では、
・バッティング時のインパクトの位置
・バッティング時に最大の力を発揮する3つの方法
などを解説します。
今回の記事の内容
バッティング時のインパクトの位置は身体の中?前?

インパクトの位置の考え方は、以下の通り。
インパクトの位置は身体の前が適切
結論を改めてお伝えすると、
適切なインパクトの位置は、身体の前
です。イメージ的には、大体この位置。

肘が伸び切るかどうかぐらいの位置であり、この位置が最も大きな力を発揮できます。逆にボールを呼び込んで身体の中で打とうとすると、こういう状態になります。

両者を比べるとわかりますが、力の入り方が全く変わります。実際に壁などを使って体感してみてください。
まず壁などの前に立ち、いつも通りにステップをして何も考えずにインパクトの位置あたりにバットを出します。そして、その壁を押して力の入り具合を確認します。すると、腕などに力が入るはず。

次は肘が伸び切るかどうか、身体の前あたりにインパクトを設定して壁などを押します。

これだと体幹に力が入り、いつもより大きな力が出るはず。身体の前でボールを捉えた方が大きな力が発揮でき、良い打球を打つことができます。ではなぜ、インパクトの位置が適切な位置からズレてしまうのでしょうか?
「呼び込んで打て」と指導されている
まず考えられるのは、
「呼び込んで打て」と指導されている
ということ。いわゆる指導者の問題ですね。現場で初めて指導する選手で多いのは、このインパクトの位置。

いろんな話を伺うと、大体は指導者に呼び込んで打つように指導されています。これだと詰まって打球が飛びません。良い打球を打つためには、必ず以下のようなインパクトの位置にする必要があります。

このイメージを変えるだけでも、打球が変わる選手もいるはずです。
身体の中で力を入れる練習をしている
続いてよくあるのが、
バットを止めて力を入れるような素振りをしている
ということ。これも高校球児がよくしている練習で、以下のようなスイングですね。
こういう素振りをすると、スムーズなスイング動作ができなくなります。さらに身体の中側でインパクトの意識づけをすると、これが原因でつまります。目的によって変わりますが、素振りは常にスムーズな動作で行うことが重要です。
身体を閉じたまま打とうとしている
もう1つ考えられるのは、
身体がほぼ真横を向き、閉じたまま打とうとする
ということ。自然に身体が動くと、バットでボールを捉えたときはこのような状態になります。

正面から見ると、体幹などが捻じれてある程度上半身は正面を向きます。近年は情報過多の影響もあり、身体を開かず常に閉じたまま窮屈そうにバットを振る選手もいます。

こういうティーバッティングすることもありますが、身体を開かずに真横を向いたままボールを打つとインパクトの位置が中に入りすぎます。
こういった原因でインパクトの位置が不適切な場合、どうすれば自分に合ったインパクトの位置をみつけられるのでしょうか?
インパクトの位置は前!バッティング時に最大の力を発揮する方法①:スイング動作の改善

まず最初に実践してほしいのは、
インパクトの位置を前にするスイング動作の習得
です。バットのグリップに小指を引っ掛けてスイングすると、インパクトの位置を自然に前に改善できるんですね。これはステップがあるので、以下の流れを実践していきましょう。
1、バットのグリップに小指を引っかける
1、片手でバットを持つ
2、グリップに小指を引っかける
2、一番スムーズにバットが出る位置を探る
1、バットを肩口に持っていく
2、グリップからバットを出すようにスイング
3、一番バットを出しやすい軌道をみつける
3、グリップを前に出すように片手スイング
1、徐々にグリップの位置を前に出してスイング
2、フォロースルーを徐々に大きくとる
4、グリップを前に出すように両手スイング
1、逆の手を手をバットに沿える
2、両手でグリップを前に出すようにスイング
3、身体の前で、ヘッドを走らせるようにスイングする
この一連の流れを実践すると、インパクトの位置が前に出てきてスイングしやすくなります。しかもスイング動作が大きくなり、気持ちよくスイングできます。この状態でバッティングを行えば、今までとは違った成果を実感できるはずですね。
ただインパクトで大きな力を発揮するためには、もう少しステップを踏んでいきましょう。
インパクトの位置は前!バッティング時に最大の力を発揮する方法②:ティーバッティングを行う

上記のスイング動作の改善ができると、次はティーバッティングで感覚的にインパクトの位置を改善していきます。
今回撮影では置きティーを活用していますが、もしボールをトスしてもらえるのであればトスでもOKです。以下でお伝えする置きティーの位置にボールを投げてもらうようにしましょう。
1、インパクトの位置を確認する
1、軸足に体重を乗せ、前に体重移動する
2、スイングを行い、インパクトの位置でバットを止める
3、肘が伸び切るぐらいの位置に置きティーを設定する

撮影ではボールを打っていませんが、実践する場合は以下のイメージでボールを打っていきます。
2、肘が伸び切るぐらいでボールを打つ
1、軸足に体重を乗せ、前に体重移動する
2、スイングをし、設定したインパクトの位置でボールを打つ
3、このとき、肘が伸び切るぐらいの位置でボールを打つ
ここでは感覚的に自分がどこでボールを打てば一番打球が飛ぶのか、力が入りやすいのかを掴んでいきます。ある程度感覚がわかってきた段階で、以下の方法に移りましょう。
3、打つ瞬間に体幹に一瞬力を入れる
1、軸足に体重を乗せ、前に体重移動する
2、スイングを行い、インパクトの瞬間に体幹に力を一瞬力を入れる
3、これを20~30回繰り返す
インパクトの瞬間と体幹に力を入れるタイミングが合ってくれば、再度気持ちよくティーバッティングを行います。そして、体幹に力を入れる意識を捨てます。
・感覚的にインパクトの位置がつかめた
・体幹に力を入れるタイミングとインパクトの瞬間が同じになった
ここまでできると、次はバッティングに移っていきます。
インパクトの位置は前!バッティング時に最大の力を発揮する方法③:バッティングに移行

バッティングではティーで行った動作をそのまま実践すればOKですが、次はタイミングを合わせて打つ必要が出てきます。そのためのステップアップは、以下の通り。
1、遅めのボールでバッティング
1、軸足に体重を乗せ、前に体重移動する
2、スイングを行い、ティーで掴んだ位置でインパクトを迎える
3、肘が伸び切るぐらいでボールを打つ
4、最初は80~90km/hぐらいのボールから始める
2、やや遅めのボールでバッティング
1、軸足に体重を乗せ、前に体重移動する
2、スイングを行い、ティーで掴んだ位置でインパクトを迎える
3、肘が伸び切るぐらいでボールを打つ
4、最初は100km/hぐらいのボールを打つ
3、速めのボールでバッティング
1、軸足に体重を乗せ、前に体重移動する
2、スイングを行い、ティーで掴んだ位置でインパクトを迎える
3、肘が伸び切るぐらいでボールを打つ
4、最初は120km/hぐらいのボールを打つ
こういった感じで、修正したインパクトの位置で確実にバッティングができるようにスピードを上げていきます。ここまでできればバッティングは変わります。もしバッティングで悩みを抱えている方は、上記でお伝えした内容を参考に動作改善をしてほしいなと思います。
バッティング時の適切なインパクトの位置と最大の力を発揮する3つの方法のまとめ

今回は、バッティング時の適切なインパクトの位置と最大の力を発揮する3つの方法について解説しました。
・インパクトは身体の前が基本
・肘が伸び切るかどうか位の位置になる
・グリップに小指をひっかけてスイング
・ティーでインパクトの位置を感覚的に掴む
・バッティングでは、遅い→速いボールに移行
・身体の中でインパクトを迎えるとつまる
僕も高校まで野球をしていたからこそわかりますが、ちょっとした動作の改善でバッティングは大きく変わります。当たり前のように言われていることが、実はマイナスに働くケースも少なくありません。このあたりを選手や親御さんには知ってほしいなと思います。
今回の内容が少しでもバッティングが変わるきっかけになれば嬉しいですね。今回は以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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