「パーソナルトレーニング中に泣いてしまった」「トレーナーの言い方が怖くて涙が出る」「できない自分が悔しくて、もう行きたくない」。泣いた後、恥ずかしさや申し訳なさから、誰にも相談できなくなっている方もいると思います。
パーソナルトレーニングで泣いてしまっても、それだけで自分を弱いと決める必要はありません。ただし、涙が出るほどの痛みや恐怖を我慢して続ける必要もありません。まず動作を止め、体調と気持ちを確認し、負荷・伝え方・受講環境を調整するか、その日は終えるかを考えましょう。
「泣いた」という出来事だけでは理由はわかりません。体の痛み、焦り、相手の言葉への傷つき、安心、達成感など、本人が感じていることを一つずつ整理することが大切です。
この記事では、パーソナルジムIZURU代表/伊藤出が、泣いたときの対応、指導を見直したい場面、トレーナーへの伝え方、担当変更・休会を考える手順を解説します。病気を自己診断するための記事ではなく、今の受け方を相談するためにお読みください。
パーソナルトレーニングで泣いたら、まず止めてよい
重りを持ったまま、説明や我慢を続けない
涙が出て動作に集中できないときは、セットを終えることより、安全な姿勢に戻ることを優先します。重りや器具を扱っている場合は、「止めたいです。補助をお願いします」と伝えてください。
器具を手放してよい状況かは動作によって異なるため、無理に動き続けたり、急に立ち上がったりせず、担当者に知らせます。安全な場所で休み、今どこがつらいのかを確認しましょう。
国民生活センターも、パーソナル筋力トレーニング中に違和感があれば無理せず中断し、異常な痛みや体調不良は担当者へ伝えるよう呼びかけています。[参考1]
理由をすぐ言えなくても、休憩を求められる
「なぜ泣いたの?」と聞かれても、言葉にできない場合があります。その場で自分の気持ちを分析したり、相手が納得する説明をしたりすることを、休むための条件にしなくて構いません。
その場で伝える短い言葉
「今は続けるのが難しいです。いったん止めたいです」
「理由はまだ整理できません。少し静かに休ませてください」
「今日はここで終わりたいです。手続きは落ち着いてから確認します」
話すことが難しければ、スマートフォンに短い文章を入力して見せる方法もあります。落ち着いたように見えても、本人が続けたくなければ、その意思を伝えてよい場面です。
強い身体症状があれば、涙の理由探しより対応を優先
胸の痛み、強い息苦しさ、失神しそうな感覚、突然の激しい頭痛、強い痛みやしびれなどがある場合は、運動を中止し、速やかな医療相談が必要です。緊急性のある症状では救急対応を求めてください。
「緊張しただけ」「泣いたから息苦しいだけ」と、その場で決めつけないことが大切です。症状が続く、悪化する場合も、トレーニングで様子を見ようとしないでください。
トレーニング中に涙が出る場面を、決めつけずに整理する
以下は、自分の経験を振り返るための例です。「この場面なら必ずこの原因」という診断ではありません。複数が重なる場合も、今は理由がわからない場合もあります。
1.体が痛い、負荷が重い、休めないと感じる
重さや回数が合わず、動作を続けるのがつらくなる場合があります。筋肉を使う感覚と、関節の痛み、しびれ、めまいなどは同じものではありません。
「あと少し」と言われても、本人が痛みや体調不良を感じるなら伝えてください。どこが、どの動きで、どのようにつらいかを確認し、必要なら中止や医療相談を行います。
涙が出ることを「追い込めている証拠」と扱わず、負荷、回数、休憩、種目を見直す情報として受け止める必要があります。
2.動作や説明がわからず、焦ってしまう
指示が一度に多い、専門用語がわからない、見本と自分の動きが結びつかない。そうした状況で、「できないと思われたくない」と焦ることも考えられます。
この場合は、意欲を高める言葉より、説明を短くする、一つずつ動く、簡単な形へ戻すといった調整が必要かもしれません。動きの習得に時間がかかることを、本人の価値や真剣さと結びつける必要はありません。
「一度に二つ以上のことを言われると難しいので、まず一つだけ教えてください」と具体的に伝える方法があります。
3.体型や食事、成果について言われ、傷ついた
本人にとって大切な体型の悩みや、努力している食事について、責められたように感じる場合があります。担当者には励ましのつもりでも、受け取る側がつらく感じることはあります。
「どの言葉が、どうつらかったか」を伝えられるなら、指導の変更を相談できます。ただし、その説明を受けても相手が繰り返す場合や、話すこと自体が怖い場合は、本人が関係の修復を一人で引き受ける必要はありません。
目標の確認や生活の振り返りは必要でも、外見をからかうことや、人格を否定することを、減量指導の条件にする必要はありません。
4.思うようにできず、悔しさや自責が強くなる
前回できたことができない、期待した変化が出ていないなど、本人の中で悔しさが大きくなる場合もあります。ただし、調子は睡眠、生活、体調などでも変わり、毎回同じ記録が出るとは限りません。
「もっと頑張らなければ」と一人で負荷を足す前に、目標と進め方が今の状態に合っているかを相談しましょう。結果だけでなく、理解できたことや続けられたことも整理できます。
5.安心した、達成できてうれしかった
悩みを話せたときや、取り組んできたことができたときに、涙が出る場合もあります。その体験を本人がうれしいと感じているなら、無理に否定する必要はありません。
一方で、涙を見た周囲が「心の傷が解放された」「この指導で治った」と意味づけることはできません。本人に理由の説明を求めすぎたり、もう一度泣かせることを目標にしたりしないことが大切です。
6.ジム以外の疲れや不調が重なっている
仕事、家庭、人間関係などで余裕が少ないときに、運動中の出来事が重なる場合があります。ただ、背景がわからないのに、涙をストレスや病気のせいと決めることはできません。
NHSは、ストレスが心身や行動にさまざまな影響を及ぼし得ると説明しています。[参考2]ジム以外でも不調が続くなら、運動の調整だけに絞らず、生活上の負担や相談先を考えてください。
「厳しい指導」と、見直したい対応を分けて考える
厳しさの好みがあっても、止めたい意思は尊重されるべき
はっきり言ってもらう方が取り組みやすい人も、穏やかな説明の方が集中できる人もいます。希望する声かけや目標の厳しさは、人によって違います。
ただし、「厳しくしてほしい」と一度伝えたからといって、痛みや恐怖、中止の希望を無視してよいわけではありません。以前は合っていた声かけでも、今つらくなったなら変更を相談できます。
| 確認したい場面 | 調整につながる対応の例 | 受講を見直したい対応の例 |
|---|---|---|
| 動きがわからない | 説明を区切り、別の見本や簡単な形を使う | 理解できないことを人格や意欲の問題にする |
| 痛みや不調を伝えた | 中断して状態を確認し、必要な対応を取る | 確認せず、痛くても続けるよう促す |
| 声かけがつらいと伝えた | 言葉や進め方を相談する | 「その程度で泣くな」と訴え自体を否定する |
| 今日は終わりたいと伝えた | 安全に終了し、後の相談方法を確認する | 帰る意思を妨げたり、続行を強要したりする |
一つの発言だけで、相手の意図やすべての指導を断定する表ではありません。実際に何が起き、伝えた後にどう対応されたかを考える材料です。
苦しさや涙の量を、効果の指標にしない
目標に必要な練習が、楽なことだけとは限りません。しかし、泣くほどつらければ結果が出る、優しく説明されたら効果が低い、という関係ではありません。
何のための運動か、本人に合う負荷か、実践と回復ができるかを確認します。怖くて質問できず、わからないまま動く状態は、適切な指導を受けやすい環境とは言いにくくなります。
嫌な接触や私生活への詮索は、断ってよい
動作の補助や体の位置の確認で触れる場合は、目的と方法の説明を求められます。「触れずに、言葉と見本で説明してほしい」と伝えることもできます。
話したくない私生活や過去の経験を、その場で詳しく説明する必要はありません。涙が出たからといって、深い話を引き出すことを運動指導の前提にしないことが大切です。
断っても接触が続く、脅されるなど、身の安全に不安がある場合は、直接話し合うことより距離を取ることを優先してください。必要なら信頼できる人や適切な相談先の助けを借りましょう。
泣いた後、トレーナーへどう伝える?そのまま使える相談文
何が起きたか・困ったこと・希望を分ける
落ち着いてから、覚えている範囲で出来事を整理します。相手の性格を説明しようとするより、場面と言葉、自分が困ったこと、変えてほしい点を分けると、具体的な相談になります。
ただし、詳しく記録できなければ相談できないわけではありません。「怖くて続けられない」「次の予約は一度止めたい」といった希望だけでも伝えられます。
負荷や説明を変えてほしいとき
前回は、動きがわからないまま指示が続き、焦って涙が出ました。次回は一度に一つずつ説明を受け、軽い負荷で動きを確認したいです。つらいと伝えたときは、いったん中断できる進め方に変更できますか。
言葉のかけ方を相談するとき
前回の食事についての言葉を、責められたように受け取り、受講がつらくなりました。生活上できなかった理由を一緒に整理し、具体的な変更を相談する形を希望します。体型や性格への評価ではなく、行動と計画について話したいです。
謝罪から始めなくても、相談はできる
「泣いて迷惑をかけた」と感じて、何度も謝りたくなる人もいると思います。涙が出たという理由だけで、自分が指導を受けるに値しないと考える必要はありません。
伝えたいのは、今の状態と今後の希望です。気持ちの説明が難しければ、短い文章にして送る、受付や責任者へ連絡する方法もあります。
担当者と直接話すことが怖ければ、別の窓口を使う
担当者本人に言うと責められそうだと感じる場合は、運営者や受付など、別の窓口があるかを確認します。個人経営などで窓口が同じ場合も、文章で連絡する、同席を頼めるかを相談するなどの方法があります。
必ずもう一度会って説明しなければならない、という前提にしないでください。受講を止めたい場合は、その意思と手続きについて連絡するところから始められます。
次回も通うか迷うときの判断|返事より、実際の変更を見る
調整が具体的なら、本人の希望で再開を検討する
説明を区切る、負荷を軽くする、休止の合図を決める、体重や食事の話を扱う方法を変えるなど、何を変更するかが共有できれば、再開を考える材料になります。
ただし、調整案が出たから再開する義務はありません。本人がまだ怖い、休みたいと感じているなら、その状態も尊重して考えましょう。
同じ対応が続くなら、担当変更や休会を選択肢にする
一度相談しても、同じ言葉で責められる、中断の希望が通らない、約束した調整が行われない場合は、同じ受け方を続ける必要はありません。
担当者の変更、利用方法の変更、休会、退会などを検討します。すでに支払った費用が気になる場合も、今後の時間と負担をどうするかは別に考えられます。
利用の価値を整理したい方は、パーソナルトレーニングがもったいないと感じるときの見直し方も参考にしてください。
手続きは、契約条件と連絡の記録を確認する
休会や解約の方法、申し出の期限、未受講分の精算などは契約によって異なります。担当者への口頭連絡だけで手続きが完了したと思い込まず、運営窓口へ確認してください。
国民生活センターも、スポーツジム等の解約・休会の連絡先や精算方法、手続きの確認を促しています。[参考3]契約について困った場合は、自治体の消費生活センター等へ相談できます。
次の受講を止めたいときの連絡文
現在の受講に強い負担を感じているため、次回の受講をいったん止め、担当変更または休会を相談したいです。私が希望する手続きに必要な連絡先、期限、費用、未受講分の扱いを、文章で教えてください。
次の予約までに整理するメモは、短くてよい
自分を細かく分析するより、次の対応に必要な情報を残します。何度も読み返してつらくなる場合は、無理に長い記録を作る必要はありません。
| 項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 場面 | ○月○日、スクワットの途中 |
| 起きたこと | やり方がわからず、指示が続いて混乱した |
| 体の状態 | 痛みはなかった/膝が痛かった、など事実を分ける |
| 伝えたことと対応 | 止めたいと伝えた後、休めた/続けるよう言われた |
| 今の希望 | 説明を減らしたい/担当を変えたい/当面休みたい |
※実際の利用者の記録ではなく、整理方法の例です。言葉を正確に覚えていなければ、「このように感じた」「正確な表現は覚えていない」と分けて書けます。
相手の意図を推測して断定するより、自分が受けた対応と希望を残すと、運営側や相談先へ伝えやすくなります。
涙や不調が、ジム以外の生活にも続く場合
一度泣いたことだけで、病気とは決められない
トレーニング中に涙が出たという出来事だけで、うつ病、不安症、過去の体験の影響などを診断することはできません。自分で病名に当てはめる必要もありません。
一方で、眠れない、食事がとれない、気分の落ち込みや不安が続く、仕事や家庭生活に支障が出る場合は、ジムとの調整だけで抱え込まず、かかりつけ医や心療内科・精神科、公認心理師等へ相談することを考えてください。
ジムに通い続けることを、相談や治療の代わりにしないようにします。治療中の方は、運動中の変化を担当の医療者へ共有できます。
トレーナーが、心の問題をすべて解決する役割を負うわけではない
話を聞く、負荷や環境を変える、必要な専門家への相談を勧めることはできます。しかし、涙の原因を診断したり、本人が望まない過去の話を深く聞き出したりすることを、運動指導の一部として当然に行うものではありません。
「この人にしかわかってもらえない」と感じていても、相談先を一つに限定する必要はありません。運動、医療、心理面の支援など、必要な役割を分けて考えましょう。
泣くのが不安な人が、体験前に伝えておきたいこと
ほしい声かけと、避けたい対応を具体的にする
「優しくしてください」だけでは、受け取り方が違うことがあります。「強い声で急かさないでほしい」「見本を先に見たい」「体重の話は個別にしてほしい」「できないときは簡単な形へ変えてほしい」など、具体的な希望が役立ちます。
すべてを事前に言葉にできなくても構いません。始めてから気づいたことを伝え、変更できるかを確認してください。会話に不安がある方は、人見知りの方のパーソナルトレーニングも参考になります。
「止めたい」の合図と、その後の進め方を決める
泣きそうになると話しづらい人は、手を挙げる、短い言葉を使うなど、担当者がわかる合図を事前に相談する方法があります。
合図があったら安全に中断する、すぐ理由を問い詰めずに休む、再開は本人へ確認するなど、対応を共有しておきましょう。これは本人に涙を隠させるためではなく、意思を伝えやすくする工夫です。
初めての運動そのものが不安なら、運動が苦手・嫌いな方の始め方も参考にしてください。
パーソナルトレーニングで泣くことについて、よくある質問
トレーニング中に泣くのは、弱いからですか?
涙だけで強さや真剣さは判断できません。痛み、焦り、言葉の受け取り方などを確認し、今の指導や環境に必要な調整がないかを考えましょう。
泣いたら、トレーナーに迷惑ですか?
涙が出たことを理由に、何度も謝ったり、そのまま無理に続けたりする必要はありません。休止と体調の確認を求め、落ち着いてから今後の受け方を相談できます。
悔しくて泣くなら、そのまま続けてもよいですか?
本人が続けたい場合も、動作に集中できるか、痛みや不調がないかを確認します。泣いていることを励みにして負荷を増やすのではなく、いったん止めて再開を判断しましょう。
優しくされて涙が出たら、何か特別な意味がありますか?
本人が安心したと感じることはありますが、涙だけで心の問題が解決したとは判断できません。意味を急いで決めず、話したくなければ説明を求められても断れます。
怖いと言うと、関係が悪くなりそうです。
直接言いにくければ文章や運営窓口を使えます。伝えた後に責められる、変更されない場合は、担当変更や休止を検討してください。関係の維持だけを理由に我慢する必要はありません。
泣いたら、必ずジムを変えた方がよいですか?
一度の涙だけでは決まりません。何がつらかったか、伝えた後に調整されるか、本人がまた受けたいかで考えます。怖さが強い場合や安全に不安がある場合は、再受講を急がないでください。
体重が減らず、報告するたびに泣きたくなります。
数字の評価方法や面談の進め方を変える相談ができます。結果だけで本人を評価せず、食事・活動・体調・実行の難しさを確認する形を希望しましょう。食事の制限がつらい場合は、食事の負担を減らして相談する方法も参考になります。
悲しくないのに、運動中だけ涙が出ます。
感情の理由を無理に探す必要はありません。目の痛み、充血、見え方の変化などがある場合や、繰り返して気になる場合は、眼科などの医療機関へ相談してください。
神戸・御影のIZURUで、指導の受け方から相談したい方へ
IZURUでは、代表の伊藤出が、希望と現在の状態を伺い、運動内容や説明方法を相談します。「厳しい声かけが苦手」「過去に指導中に泣いてしまった」「説明を一つずつ聞きたい」など、伝えられる範囲でお知らせください。
僕は、泣くほど頑張ることを成果の基準にせず、本人が「わからない」「つらい」「止めたい」と言えることを大切にしたいと考えています。過去の体験を詳しく話すことを、申込みの条件にする必要はありません。
ただし、運動指導で病気の診断や心理治療を行うことはありません。必要な医療・心理面の相談と組み合わせながら、対応できる範囲を確認します。
希望する内容はプログラム一覧、初回の相談は無料体験の内容・お申込みからご確認ください。体験の前に、声かけや進め方への希望を文章で送ることもできます。
まとめ|涙を我慢するより、受け方を見直すための情報にする
パーソナルトレーニングで泣いたときは、まず安全に動作を止め、体調と気持ちを確認してください。その場で理由を説明できなくても、休止や終了を求められます。
痛み、焦り、言葉への傷つき、安心などを決めつけずに整理し、負荷や説明、声かけ、環境を調整するかを相談します。中止の意思を無視される、伝えても同じ対応が続く場合は、担当変更や休会も選択肢です。
泣いたこと自体を、効果が出た証拠や弱さの証拠にしないようにしましょう。必要な休息や専門家への相談も含め、自分が安心して受けられる方法を考えてください。




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