「以前と同じ生活なのに、お腹まわりが変わってきた」「運動したいけれど、ほてりや疲れで予定通りに動けない」「更年期にパーソナルトレーニングを始めても大丈夫?」。そんな不安はありませんか。
更年期のパーソナルトレーニングは、体調に合わせて筋力・体力づくりや体重管理に取り組む選択肢です。一方、更年期障害を診断・治療するものではなく、ホットフラッシュなどの症状が必ず改善するとは言えません。
こんにちは。パーソナルジムIZURU代表/伊藤出です。僕がこの時期の運動で大切にしたいのは、毎回同じメニューをこなすことより、「その日の身体で、どこまでなら無理なくできるか」を一緒に確認することです。
この記事では、更年期に個別指導を活用する意味、体調に応じたメニューの調整、通う頻度、食事と休養、ジム選びを解説します。減量方法を広く扱うのではなく、更年期の身体と付き合いながら運動を続けたい方に向けた内容です。
先に知っておきたいポイント
- 更年期の不調を、運動不足や気合いの問題と決めつけない
- 筋力・体力の維持と、ほてりなどの症状への治療を分けて考える
- 睡眠や疲労を確認し、その日に負荷・時間を変える
- 体重だけでなく、生活の動きやすさや回復も記録する
- つらい症状は婦人科などへ相談し、運動と医療を併用する
更年期にパーソナルトレーニングを始める前に知っておきたいこと
更年期と更年期障害は同じ意味ではない
更年期は、一般に閉経の前後約5年ずつを合わせた時期を指します。女性ホルモンの変化に加え、加齢や生活環境、心理的な要因なども身体の状態に関わります。
この時期に現れる不調のうち、ほかの病気などによるものを除き、日常生活に支障を来す状態が更年期障害です。「更年期だから誰でも同じ症状が出る」「一定の年齢になれば診断できる」というものではありません。[参考情報1]
ほてり、発汗、眠りにくさ、気分の変化などが気になっても、自己判断で更年期だけを原因にしないことが大切です。動悸や強い疲労などには、別の病気が関わる場合もあります。
運動でホルモンバランスが元に戻るとは言い切れない
「筋トレで女性ホルモンが増える」「自律神経を整えれば更年期障害が治る」といった説明は、そのまま受け取らないようにしてください。トレーニングを受けることと、更年期症状の治療は別です。
2023年の北米閉経学会の声明では、ホットフラッシュなどの血管運動神経症状に対する治療として、運動を推奨できるだけの根拠は示されていません。[参考情報2] これは運動に健康上の意味がないということではなく、症状を確実に減らす治療と同じようには勧められないという意味です。
症状が強い場合は婦人科へ相談し、医師と治療の選択肢を検討しましょう。トレーナーが薬の変更やホルモン補充療法の中止を指示することはありません。
更年期のパーソナルトレーニングで目指せる4つのこと
①筋力を保ち、日常の動作を続けやすくする
階段がつらい、買い物袋が重い、立ち上がりに勢いが必要。こうした困りごとがあるときは、体重を落とすことだけでなく、生活に必要な筋力を保つ視点が役立ちます。
椅子から立つ、引く、押すなどの動きを、現在の体力に合う負荷で練習します。最初から重いダンベルを扱うことが目的ではありません。動作が安定し、回復に問題がなければ少しずつ進めます。
②骨の健康を支える運動習慣をつくる
閉経前後は骨の健康にも目を向けたい時期です。英国NHSは、更年期の健康管理として、身体を支える運動や筋力トレーニングなどを案内しています。[参考情報3]
ただし、骨密度が低い方や骨折歴がある方へ、一律にジャンプや重い筋トレを勧めることはできません。骨粗しょう症の診断や治療を受けている場合は、医師の指示と骨折リスクに合わせて運動を選びます。
③体重だけに頼らず、体型の変化を管理する
更年期前後の体型変化には、ホルモンの変化だけでなく、年齢、活動量、食事、睡眠などが重なります。「更年期だから必ず太る」「もう痩せられない」と決めつける必要はありません。
筋力を保つ運動と、無理のない日常活動、食事の振り返りを組み合わせます。体重を短期間で大きく減らすより、腹囲や服のゆとり、体力も含めて評価することが大切です。
減量の進め方自体を詳しく知りたい方は、ダイエットのパーソナルトレーニングをご覧ください。この記事では、体調の波がある中での調整を中心に扱います。
④体調が変わっても、運動を続ける方法を身につける
調子のよい日しかできない計画では、体調が崩れるたびに運動が途切れてしまいます。個別指導は、運動量を減らす方法や、休む判断を相談する場としても使えます。
「前回より軽い負荷になったから後退した」と考えず、その日の状態に合う量を選べたことを評価しましょう。健康づくり全体の運動の考え方は、健康のためのパーソナルトレーニングで解説しています。
更年期の体調に合わせてメニューを変える判断の目安
以下は運動を調整するための例で、診断の基準ではありません。初めての症状、強い症状、普段と違う症状があるときは、表だけで自己判断せず医療機関へ相談してください。
| 当日の状態 | 調整の考え方 |
|---|---|
| 体調が安定し、睡眠も取れている | 準備運動で状態を確認し、予定の筋トレや有酸素運動を行う |
| 寝不足・軽い疲労がある | 重さやセット数、時間を減らし、無理に前回を超えない |
| いつものほてりが出ている | いったん止めて涼しい環境で休み、落ち着いてから続行を判断する |
| 関節の違和感がある | 痛みの出ない動きへ変え、続く場合は受診を検討する |
| 胸痛・強い息苦しさ・失神しそうな感覚 | 運動を中止し、速やかに医療機関へ連絡する |
ほてり・発汗がある日は、暑さと休憩を調整する
ほてりが出ると、「運動で治すためにもっと汗をかこう」と考える方もいるかもしれません。しかし、汗を多くかくことを成果にする必要はありません。
温度調整しやすい服装を選び、水分を用意し、セット間の休憩を長めに取れる環境で行います。症状が出たらいったん止め、涼しい場所で休んでください。
これは快適に過ごすための工夫であり、ホットフラッシュそのものを治療する方法ではありません。新しい動悸やめまい、胸の違和感がある場合は、いつものほてりと決めつけないことが大切です。
眠れていない日は、負荷を上げない選択をする
前の晩にほとんど眠れず、集中しにくい日に、重い種目や複雑な動作を頑張る必要はありません。普段より軽い運動や短い散歩に変更したり、休んだりすることも選択肢です。
「予約しているから元を取らなければ」と無理をしなくて済むように、体調不良時の変更・キャンセル条件は入会前に確認しておきましょう。睡眠の問題が続き生活に影響する場合は、婦人科などで相談してください。
肩・膝・股関節が気になる日は、痛みを我慢しない
関節が痛む場合、更年期の症状として片づけず、運動内容や日常の負担も確認します。深くしゃがむと膝が痛ければ、椅子の高さを変える、回数を減らす、別の動きにするなどの調整を考えます。
腫れや熱感、急な痛み、体重をかけられない状態がある場合は、運動より受診を優先します。「動けば治る」と痛みを押し切る指導は避けてください。
更年期の運動初心者向け|パーソナルトレーニングの内容
最初は筋トレ・有酸素運動・動きやすさを組み合わせる
更年期だから特別な一つの種目だけを行うのではなく、必要な体力に応じて運動を組み合わせます。以下は体調が安定している初心者を想定した例です。
| 運動 | 開始時の例 | 調整する点 |
|---|---|---|
| 準備運動 | ゆっくり歩く、肩や足首を軽く動かす | 動悸・痛み・めまいがないか確認 |
| 下半身の筋トレ | 椅子からの立ち座りを5~8回程度 | 椅子の高さ、支え、回数 |
| 上半身の筋トレ | 壁を使った腕立てや、軽い引く運動 | 肩の違和感、負荷、姿勢 |
| 有酸素運動 | 会話できる速さで5~10分程度歩く | 疲労や暑さに合わせて分割 |
| 整理運動 | 楽な呼吸と、痛くない範囲の軽いストレッチ | 息を止めない、強く伸ばさない |
ここにある回数や時間は入り口の例です。全員に十分な運動量でも、必ずこの量から始めるという処方でもありません。少量でも負担が強ければ減らし、余裕があれば担当者と相談して調整します。
筋トレは息を止めず、動作が崩れる前に終える
最初は、あと数回できそうな余裕を残して終え、体調と回復を確認します。顔を真っ赤にして息を止めるほどの負荷や、毎回限界まで追い込む方法から始める必要はありません。
高血圧などの持病や運動制限がある方は、医師への確認内容を担当者に伝えてください。慣れてきたらフォームを保てる範囲で、回数・負荷・セット数のいずれかを少しずつ進めます。
有酸素運動は、時間を短く分けてもよい
30分連続で歩かなければ意味がない、と考える必要はありません。買い物の前後に少し歩くなど、生活の中で取り組みやすい時間から始めます。
体調が安定していれば、歩く時間や日数を徐々に増やせます。ただし、運動後に疲労が強く残るときは、次の予定を軽くします。歩数の数字だけで自分を評価しないようにしましょう。
更年期のパーソナルトレーニングは週何回?期間はどのくらい?
週1回の指導からでも、生活に合わせた計画は立てられる
運動経験や予算に応じて、週1回の個別指導と短い自主練習を組み合わせる方法があります。自分だけでは負荷の判断が難しい場合は、指導回数を増やす選択肢もあります。
大切なのは、通う回数だけでなく、運動した翌日にどれだけ回復しているかです。最初から週何回も詰め込まず、仕事や家事を続けられる余裕を残しましょう。
最初の1ヶ月は継続の条件を探し、その後に負荷を調整する
最初の数回は、疲れが残りにくい時間帯、つらくなりやすい動作、休憩の取り方などを確認します。数週間続けられたら、回数や歩く時間を少しずつ見直します。
2~3ヶ月ほどを一つの振り返り時期にすることはできますが、更年期症状がその期間で消えるという意味ではありません。症状の経過は医療機関で、体力や運動習慣の経過はトレーナーと分けて確認してください。
体重以外の変化も、短いメモで残す
記録する項目の例
- 昨夜の睡眠と、朝の疲労感
- 運動した内容・時間・きつさ
- ほてりや関節の違和感が、いつ出たか
- 運動当日の夜と翌朝の疲れ方
- 階段や買い物など、生活動作の変化
毎日細かく採点することが負担なら、気づいた日だけでかまいません。できなかった日を責める記録ではなく、次の運動を調整するための記録として使いましょう。
更年期太りが気になるときの食事と休養
食べる量を急に減らす前に、生活全体を振り返る
体重が増えると、主食を抜く、夕食を食べないなど、急な制限をしたくなるかもしれません。しかし、食事不足で運動を続けにくくなっては本末転倒です。
食事の記録と体重推移、日中の活動量、睡眠を一緒に見ます。減量が必要な場合も、筋力を保ち、体調を崩さず続けられる範囲で調整します。「更年期なら食事を減らしても絶対に痩せない」とも言い切れません。
たんぱく源や骨の健康に関わる食品を、普段の食事に取り入れる
肉・魚・卵・大豆製品などを食事に組み合わせ、乳製品や小魚など、カルシウムを含む食品も取り入れます。特定の食品やサプリメントだけで更年期症状を解決しようとしないことが大切です。
治療中の病気や食事制限がある場合は、医師や管理栄養士へ相談してください。サプリメントの追加も、服薬との関係を確認してから判断しましょう。
回復できない日は、運動量を増やして埋め合わせない
寝汗や不眠が続く中で、減量のために運動を追加し続けると、生活の負担が大きくなります。休んだ翌日に倍の量をする必要はありません。
就寝前の過ごし方、運動する時刻、部屋の温度などを振り返り、睡眠の問題が続くときは医療機関へ相談します。運動・食事・医療・休養を組み合わせ、取り組みやすいところから整えていきましょう。
更年期にパーソナルジムを選ぶ7つの確認ポイント
- 症状を聞いてくれるか:睡眠、ほてり、痛み、その日の疲労を運動前に確認する。
- 医療との役割を分けているか:更年期障害を治すと約束せず、必要な受診を勧める。
- 当日の変更ができるか:決まった回数や重さを押しつけず、負荷や時間を調整する。
- 環境を調整できるか:空調、換気、水分、休憩、着替えへの配慮がある。
- 身体の話をしやすいか:月経や尿漏れなど、話しにくい相談のプライバシーを守る。
- 体重以外も評価するか:筋力、継続、生活動作、回復の変化を確認する。
- 予約条件と料金が明確か:キャンセル、振替、有効期限、必須費用を事前に説明する。
女性トレーナーを希望する場合は、体験前に相談しておきましょう。性別だけで対応力は決まりませんが、自分が安心して話せることは継続の大切な条件です。
料金は、入会金・受講料・必須オプションを含む総額で比較します。安さだけで決めず、体調が変わった日の対応まで含めて検討してください。
体験で聞いておきたい3つの質問
- 「寝不足やほてりがある日は、どのようにメニューを変えますか?」
- 「医師から運動の注意点を伝えられた場合、対応できますか?」
- 「体調不良による予約変更や、途中で通い方を見直すことはできますか?」
答えが具体的か、自分の状況を追加で確認してくれるかを見てください。「更年期だから全員このメニュー」という指導より、現在の体調と目標に合わせた提案を重視しましょう。
運動前に婦人科などへ相談したい症状と、中止する目安
更年期かもしれないと思っていても、月経の変化、繰り返す動悸、強い疲労、気分の落ち込みなどで生活に支障があれば、まず婦人科やかかりつけ医へ相談してください。閉経後の出血や、出血量が多い状態も、運動で様子を見るのではなく受診が必要です。
運動中の胸痛、強い息苦しさ、失神しそうな感覚、突然の激しい頭痛、片側の手足の動かしにくさなどは、運動を中止して速やかな医療対応を求める症状です。いつもの不調と決めつけないでください。
治療中でも運動できる場合はあります。診断名、薬、医師からの運動の注意点を必要な範囲で共有し、トレーナーがわからないことは医師に確認できる関係をつくりましょう。
神戸・御影のIZURUで、更年期の運動を相談したい方へ
IZURUで相談するときは、最初からうまく説明できなくても大丈夫です。「体力を戻したいけれど、調子の波がある」「体重だけで評価されたくない」など、今困っていることを教えてください。
僕は、できなかった運動を責めるより、どう変えれば生活の中で続けられるかを一緒に考えたいと思っています。診療やホルモンの検査を行う場所ではありませんが、医療で確認された注意点を踏まえ、運動の内容や負荷を相談できます。
全身の体力を保つ、体型を見直す、動きやすさを取り戻すなど、優先したいことから目標を整理しましょう。内容はプログラム一覧、担当者については伊藤出のプロフィールをご覧ください。体験の流れは無料体験の案内から確認できます。
更年期のパーソナルトレーニングでよくある質問
更年期障害はパーソナルトレーニングで治りますか?
治るとは約束できません。筋力・体力づくりや体重管理を支えることと、更年期障害の診断・治療は役割が異なります。症状がつらい場合は婦人科へ相談し、運動を併用する方法を検討してください。
ホットフラッシュがあっても通えますか?
症状の程度やほかの病気の有無で判断します。受診が必要な症状を確認したうえで、温度や休憩、運動量を調整できるかジムへ相談してください。症状が出ても最後まで頑張る必要はありません。
ホルモン補充療法を受けながら運動できますか?
治療中という理由だけで、一律に運動できないわけではありません。主治医に運動の可否と注意点を確認してください。薬の量や使用方法を、トレーナーの判断で変えることはありません。
更年期太りには、有酸素運動と筋トレのどちらがよいですか?
どちらか一つに限定せず、体力や症状に合わせて組み合わせる考え方が基本です。体重管理だけでなく、筋力を保つこと、活動を続けることも目標に含めましょう。
運動すると、かえって疲れが強くなる場合は?
負荷・時間・頻度を減らし、翌日の回復を見ます。軽い運動でも強い疲れが続く、急に悪化する場合は、更年期や運動不足と決めつけず受診してください。
50代で運動経験がなくても始められますか?
体調と医師からの制限を確認し、現在できる動きから始められます。ほかの人の重さや回数に合わせる必要はありません。筋トレ初心者向けのパーソナルトレーニングも参考にしてください。
まとめ|更年期の運動は、体調に合わせて続けられる計画から
更年期のパーソナルトレーニングは、体調の波を無視して頑張るためではなく、無理のない運動を生活に取り入れるために活用してください。
- 更年期症状の治療と、運動で目指す健康づくりを分ける
- 睡眠・ほてり・疲労・痛みに応じてメニューを変える
- 筋トレと有酸素運動を少量から組み合わせる
- 体重だけでなく、体力と回復も確認する
- 受診の必要性を理解し、相談しやすいジムを選ぶ
以前と同じようにできない日があっても、努力不足とは限りません。今の身体に合う方法を見つけ、必要な医療や休養も使いながら、一歩ずつ取り組んでいきましょう。




コメント