ストレッチ後に筋肉痛が出る。これは好転反応ではなく、筋肉を強く伸ばしすぎ。適切な方法でストレッチができると、筋肉痛は出ません。
この記事では、
・効いてる証拠?ストレッチ後に筋肉痛になる原因
・筋肉痛になる方に行ってほしい3つのストレッチ方法
などを解説します。
今回の記事の内容
効いてる証拠?ストレッチ後に筋肉痛になる原因

まず筋肉痛が起こるメカニズムを知ると、ストレッチ後の筋肉痛の原因が理解しやすくなります。
筋肉痛が起こるメカニズム
まだ仮説段階だそうですが、筋肉痛が起こるメカニズムは以下の通り。
・筋肉痛が疲労すると、筋線維の膜の透過性に異変が起こる
・普通なら出てこないクレアチキナーゼ、ATPなどの物質が出てくる
・これらが血管内に入り、血管内皮細胞に作用する
・ブラジキニンという物質が分泌される
・このブラジキニンが筋線維に作用する
・ブラジキニンを受容するたんぱく質が反応してNGFというたんぱく質を生成
・NGFは神経を過敏にする働きがある
・普段は痛いと感じない刺激でも痛いと感じるようになる
専門的に言えば上記の通りですが、今回のテーマに合わせてわかりやすく言い換えると以下の通り。
・ストレッチで筋肉が疲労する
・ブラジキニンが分泌される
・NGFというたんぱく質が作られる
・その結果、普段感じない程度の刺激を痛いと感じるようになる
・これが筋肉痛が発生するメカニズム
つまり、
筋肉痛=好転反応ではなく、筋肉に疲労が生じた結果起こる症状
ということ。筋肉が適切に緩めば、筋肉は疲労しません。何かしらの原因で、ストレッチで筋肉が疲労した可能性があります。では、どのようなストレッチをすると筋肉が疲労してしまうのでしょうか?
かなり強く筋肉を伸ばす
1つ目は、
痛みを感じるぐらい強く筋肉を伸ばしている
ということ。特に身体が硬い方が強く筋肉を伸ばすと、
・防衛反応が働いて、筋肉が収縮する
・さらに筋肉を伸ばそうとする
・筋トレのような刺激が加わる
筋肉を伸ばしながら刺激することをエキセントリックと言いますが、この刺激は筋肉が疲労しやすく筋肉痛が起こりやすいと言われています。おそらくほとんどの方が、筋肉の伸ばし過ぎが原因の可能性があります。
反動を活用しすぎる
2つ目は、
反動を活用してストレッチを行っている
ということ。ストレッチ中に、弾むように反動をつける。この刺激も、一瞬筋肉を強く伸ばすようなストレスがかかります。この刺激によって筋肉が疲労する可能性があるんですね。
無理なポージングで筋肉を伸ばしている
3つ目が、
無理なポージングで筋肉を伸ばしている
ということ。例えば、以下のようなストレッチングをするとします。

このポージングは後方の脚の付け根などは伸びますが、前ももは筋トレ状態で過度にストレスがかかります。おそらく翌日には、前もも辺りに筋肉痛が出るはず。
このように、
・かなり強く筋肉を伸ばす
・反動を活用しすぎる
・無理なポージングで筋肉を伸ばしている
などが原因で筋疲労が起こり、重だるさが出ているはず。決して好転反応ではなく、やり方のまずさで筋肉痛が出ています。では、どういうストレッチをすれば筋肉痛が出ないのでしょうか?
筋肉痛が起こる方に行ってほしいストレッチ方法①:伸ばそうとしない

まずおすすめなのが、
筋肉を伸ばそうとせず、自然なポージングでストレッチングを行う
という方法。早速、以下の方法を実践してみてください。
1、バンザイ+カエル足
1、仰向けになり、両膝を立てる
2、両腕をバンザイし、両膝は開く
3、30秒間深呼吸を繰り返す
2、腕を軽く開いて両膝倒し
1、仰向けになり、両膝を立てる
2、脇を軽く開き、両腕を地面に置く
3、両膝を片側へ倒し、体幹を心地よく捻る
4、左右各30秒間深呼吸を行う
3、両腕を真横に伸ばす
1、仰向けになり、脚を肩幅で伸ばす
2、両腕を真横に開いて伸ばす
3、30秒間深呼吸を行う
4、しゃがみ込んで壁にもたれる
1、脚を肩幅に開いて壁の前に立つ
2、しゃがみ込んで、壁にもたれる
3、身体を丸めて、30秒間深呼吸を行う
この方法だと過度に筋肉を引っ張っていませんので、筋肉痛が出ずに筋肉は緩んでいきます。YouTubeでロングバージョンをご紹介してるので、よかったら参考にご覧ください。
筋肉痛が起こる方に行ってほしいストレッチ方法②:小さな範囲で関節を動かす

続いておすすめなのが、
可動域を狭くし、気持ちよく動かし続ける
という方法。頑張って大きく動かすと筋肉痛が発生します。小さく軽く動かせば、筋肉痛は発生しません。早速実践してみましょう。
1、肘を小さく曲げ伸ばし
1、仰向けになり、肘を90度に曲げる
2、手首をリラックスさせ、小さく肘を曲げ伸ばし
3、30秒間行う
2、肘を小さく内外に動かす
1、仰向けになり、肘を90度に曲げる
2、手首をリラックスさせ、小さく肘を内外に動かす
3、30秒間行う
3、両膝を小さく左右に動かす
1、仰向けになり、両膝を90度に曲げる
2、両膝を左右に小さく動かす
3、30秒間行う
4、股関節を小さく動かす
1、うつ伏せになり、脚を肩幅に開く
2、両膝を90度に曲げる
3、膝下を軽く開閉する
4、30秒間行う
5、膝を軽く曲げ伸ばし
1、うつ伏せになり、脚を肩幅に開く
2、膝を90度に曲げ、軽く曲げ伸ばしする
3、30秒間行う
より成果を実感したい方は、「各1~2分間」実践するとより筋肉が緩んで身体はスッキリします。
筋肉痛が起こる方に行ってほしいストレッチ方法③:重力を活用する

もう1つおすすめなのは、
重力を活用して筋肉をゆるめる
という方法。この方法が一番ゆるむ範囲が広く、成果を実感しやすいのでぜひ試してみてください。
1、四つ這いで頭をぶら下げる
1、四つ這いになり、首から頭をぶら下げる
2、リラックスした状態で30秒間キープする
2、肩から腕をぶら下げる
1、脚を前後に大きく開く
2、片手を前膝に置き、逆の腕は肩からぶら下げる
3、腕の重さを感じながら左右各30秒間キープする
3、腰から上半身をぶら下げる
1、脚を肩幅に開く
2、膝を伸ばし、お尻を後方に引く
3、腰から上半身をぶら下げる
4、肩から腕、首から頭もぶら下げる
5、30秒間キープ
ストレッチ後に筋肉痛が出る方は、こういう方法だと出ないのでぜひ参考に実践してみてください。
効いてる証拠?ストレッチ後に筋肉痛が起こる原因と3つの改善方法のまとめ

今回は、効いてる証拠?ストレッチ後に筋肉痛が出る原因と3つの改善方法について解説しました。
・ストレッチングで筋肉痛が起こるのは伸ばしすぎ
・筋肉は引っ張られると筋肉痛が出やすい
・無理なポージングをしても、筋肉痛が出てしまう
・自然に筋肉を伸ばすストレッチングがおすすめ
・重力を活用すると、広範囲の筋肉をゆるめられる
ストレッチだけに限らず、マッサージや整体などでも「好転反応」という言葉が使われがち。でも実際は、やり方のまずさで起こっているケースがほとんど。
適切なやり方で実践できれば、筋肉が緩んで心地良さしか感じません。今回の内容が少しでも参考になれば嬉しく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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