ベンチプレスをすると肩に痛みが出る。おそらくフォームの問題で発生する「上腕二頭筋長頭筋炎」「インピンジメント症候群」などの可能性があります。改善するには「肩周辺をゆるめる」「フォームの修正」などが必要です。
この記事では、
・ベンチプレスで肩に痛みが出る原因
・ベンチプレスで出る肩の痛みの3つの改善方法
などを解説します。
今回の記事の内容
ベンチプレスで肩に痛みが出る原因

ベンチプレスで肩に痛みが出る原因は、以下の通り。
①上腕二頭筋長頭腱炎の可能性
まず考えられるのは、
上腕二頭筋長頭腱炎
です。ベンチプレスをすると、肩の前側に痛みが出る場合はこの可能性があります。
肩の関節が自然に動くと、この方向に腕が動きます。

この上腕の位置であれば、肩の関節に大きなストレスはかかりません。ただ肘を真横に引くようなフォームをしている場合、肩の前側に大きなストレスがかかります。

このフォームで大きなストレスを受けるのが、上腕二頭筋という力こぶの筋肉。

この筋肉は大きな2つの膨らみで構成されており、その外側の筋肉を長頭といいます。長頭は肩甲骨に付着しており、肘を真横に開いて肘を引くと腱の部分に大きなストレスがかかるんですね。それを繰り返すと炎症が起こり、痛みが発生します。

上腕二頭筋自体は小さな筋肉であり、ベンチプレスのフォームが崩れて大きな負荷がかかってしまうと痛みやすいのが特徴です。現場で見ていても、この原因が最も多いですね。
インピンジメント症候群(肩や腕の筋肉が硬い)
続いて考えられるのが、
インピンジメント症候群
です。肩の関節が適切にかみ合っておらず、骨と骨の間に筋肉や腱などが挟まって炎症が起こって痛む病気です。
例えば、
・日頃猫背気味で過ごしている
・胸や肩の筋肉が硬い
こういう状態の方は、肩の前後の筋バランスが崩れています。すると、姿勢が崩れて肩の噛み合わせが悪くなります。この状態でベンチプレスをすると、インピンジメントの影響で肩が痛むんですね。
③プロスタグランジンの影響(自律神経の乱れ)
もう1つ考えられるのは、
プロスタグランジンの影響(自律神経の影響)
です。最近、
・無性にイライラする
・夜寝れないときがある
・興奮状態のような感覚がある
・心拍数が多いように感じる
などの症状を感じていませんか?もし該当する方は、疲自律神経のバランスが乱れている可能性があります。自律神経のバランスが乱れて興奮状態になると、
普段は痛みとして感じないことでも、過剰な痛みとして感じるようになる
ことがあるんですね。その原因は、プロスタグランジンという物質が分泌されるため。自律神経のバランスが乱れると、プロスタグランジンの分泌量が増加。プロスタグランジンには、痛みを増幅して感じる作用があります。
もし自律神経のバランスが乱れた中でベンチプレスをすると、肩周りに大きなストレスがかかった時に痛みを感じる可能性があります。では具体的に、どうすればベンチプレスで発生する肩の痛みを改善できるのでしょうか?
ベンチプレスで出た肩の痛みを改善する方法①:肩周りの筋肉を緩める

まず最初に行ってほしいのは、
硬くなっている肩や腕の筋肉を緩める
ということ。これだけでも、肩周りの痛みが軽減できます。早速方法をご紹介しますね。
1、脇を締めて一気に脱力
1、両肘を曲げ、脇を軽く4秒間締める
2、一気に力を抜いて、脱力する
3、10回繰り返す
2、肘を曲げて一気に脱力
1、両肘を曲げ、腕の位置を少し高く上げる
2、4秒間力こぶに力を入れて一気に脱力する
3、腕を落として、再度肘を曲げる
4、10回繰り返す
3、胸に触れて呼吸
1、両手をクロスして、脇に手を入れる
2、この状態で、深呼吸を10回繰り返す
4、力こぶに触れて呼吸
1、両手をクロスして、力こぶに触れる
2、この状態で、深呼吸を10回繰り返す
5、胸と腕のストレッチング
1、壁の前に立ち、手のひらを壁につける
2、肘を伸ばし、胸を開くようにストレッチング
3、この状態で左右各2分間行う

この5つができると、硬い肩や腕はある程度柔らかくなっています。これができると、自律神経のバランスを整えていきましょう。
ベンチプレスで出た肩の痛みを改善する方法②:自律神経のバランスを整える

自律神経のバランスを整える方法は以下の記事で紹介しているので、こちらを参考に実践してみてください。
自律神経のバランスが乱れると「イライラする」「恐怖心が増す」「がんになる」「基礎代謝が下がる」「痛みが増す」など、さまざまな症状が出ます。健康を維持する上でも、自律神経のバランスを整えることは非常に重要なんですね。 この記事では、 ・自律神経とは? ・自律神経のバランスが乱れる原因 ・自...
ベンチプレスで出た肩の痛みを改善する方法③:ベンチプレスのフォームを改善する

そして根本的な肩の痛みを改善するためには、
ベンチプレスのフォームそのものを改善することが必須
です。一番のポイントは、腕の使い方。ここを変えると、根本的に肩の痛みを改善できます。
1、開始姿勢
ベンチ台に仰向けになり、軽く胸を張って肩甲骨を寄せます。このとき、バーを目線の真上の位置に設定しましょう。

2、バーを肩の真上で構える
開始姿勢ができると、次はバーを肩幅で持って肩の真上の位置で構えます。


3、肘を体側に沿わせるようにバーを下げる
肩の真上で構えたバーを、肘を体側に近づけながら胸に下げていきます。

このときに、脇が開くと肩が痛くなるのでこのフォームは避けましょう。


4、肩口から動くイメージでバーを押し上げる
胸の上に下げたバーを、肩口から動き出すようなイメージで押し上げます。

軌道としては、少し弧を描くようなイメージで上げるんですね。

直線的にあげると不安定になるので、この位置に上げるにはNG。

弧を描くことで肩周りの多くの筋肉が動員され、高重量でも安定した軌道でバーを押し上げられるようになります。あとはこのイメージで痛みが出なければ、徐々に重量を上げてフォームを固めていけば痛みが根本的に改善できます。
ただいきなり重量を求めすぎるとフォームが崩れるので、
・徐々に重量を上げていく
・トレーニング後は肩周りのアイシングを行う
などに注意し、再度炎症が起こるのを防ぐようにしましょう。この流れでベンチプレスで発生する肩の痛みが改善できるので、ぜひ参考にやってみてください。
ベンチプレスで肩の痛みが出る原因と3つの改善方法のまとめ

今回は、ベンチプレスで肩の痛みが出る原因と3つの改善方法について解説しました。
・ベンチプレスで発生する肩の痛みは、フォームの問題が大きい
・その他には、柔軟性や自律神経の乱れが関係
・改善するためには、まず肩周りの筋肉を緩める
・乱れた自律神経を整える
・そして、ベンチプレスのフォームを改善する
・この流れが実践できると、肩の痛みを根本改善できる
インナーマッスルが弱いから痛むなどと言われますが、筋力の弱さはほぼ関係ありません。それよりも、痛いようにやっているだけの可能性が高い。
だからこそ自然な身体の使い方が重要になり、微妙な角度調節が必要。痛くないようにやれば痛みは出ないので、それを今回の記事でぜひ体験してほしいですね。今回の内容が少しでも参考になれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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