IZURU代表 / 伊藤 出

IZURU代表 / 伊藤 出

パーソナルトレーナー歴13年。心理カウンセラー・アスリートフードマイスター。カラダとココロの悩みを“根本改善”する。3ヶ月-11.3cm脚やせ、9ヶ月-17kgのダイエット成功などの指導実績。日本ボクシングミニマム級1位・プロ野球選手・モデルなどの指導経歴。



コンディショニング【conditioning】=その日の体調の良し悪し。本当の意味は、これだけではありません。「身体的」「防衛的」「精神的」「栄養」「休養」この5つの柱を整え、向上させる。これが本来のコンディショニングの意味です。

この記事では、

・コンディショニングとは?
・コンディショニングの意味
・コンディショニングトレーニングの効果や方法

などを解説します。

 

コンディショニングとは

本質は、以下の通り。

コンディショニング=5つの体力要素のこと

コンディショニングは、以下の5つを指します。

コンディショニング

その日の体調の良し悪しという意味で使用されますが、実は本質は異なります。

身体的

「身体的」とは、文字通り身体に関する要素。具体的には、

・筋力
・持久力
・スピード
・調整力
・柔軟性

などで、「バイオモーターアビリティ」という以下の図の全体を指します。

バイオモーターアビリティを言い換えると「身体的コンディショニング」になり、バイオモーターアビリティ=身体的コンディショニングとなります。ここは後ほど詳しく解説します。

精神的

「精神的」は文字通り「メンタル」の要素。

・試合で緊張する or 普段以上の力が発揮できる
・自分の考えを持っている or 流されやすい
・練習に前向きに取り組める or サボりやすい
・プレッシャーに弱い or 強い など

メンタルが弱いと、コンディショニングも低くなってパフォーマンスに大きな影響が出ます。

防衛的

「防衛的」というのは、免疫力のこと。

・風邪を引きやすい
・すぐにお腹を壊す
・季節の変わり目に体調を崩す
・環境が変わるとすぐにお腹を下す

など、内臓や免疫に関する要素。

防衛面は「トレーニング」「休息」「食事」、この3つのバランスがとれると自然と強化されます。

栄養

栄養に関しては、代表的なのが五大栄養素。

・炭水化物
・たんぱく質
・脂質
・ビタミン
・ミネラル

これらの栄養素が適切に摂れているか、これもコンディショニングに含まれます。

栄養素だけではなく、

・食事の内容
・食事の量
・食事のタイミング
・食事の頻度

なども含まれ、運動量や基礎代謝などにあわせて栄養面を整えることもコンディショニングの一部。

休養

「休養」に関しては、

・睡眠時間は適切か
・体の疲労は回復しているか
・老廃物などを取り除けているか
・身体や筋肉を休ませているか

などといった要素。トレーニングと食事が適切であっても、休養が不足すれば体調を崩します。

 

身体的コンディショニングとは

身体的コンディショニングは、以下の通り。

身体的コンディショニング=バイオモーターアビリティ

先ほどもお伝えした通り、身体的コンディショニングとバイオモーターアビリティは同義。

主に、

・筋力
・持久力
・スピード
・パワー
・調整力
・敏捷性
・柔軟性

この7つの要素を指します。それぞれの意味は、以下の通り。

筋力

筋力とは、

筋肉が発揮する力

のことで、力の大きさは筋肉の断面積(大きさ)に比例します。

筋力を高めるためには、主に筋肥大をして最大筋力を高めることが必要です。具体的な方法は、以下の通り。

・レジスタンストレーニング
・ウエイトトレーニング
・加圧トレーニング
・スロートレーニング など

もしスポーツ選手が筋力を向上させる場合、競技特性を考慮した方法を選択する必要があります。

持久力

持久力には、

●心肺持久力
→心臓と肺の持久力(スタミナ)
●筋持久力
→一定の負荷を何回挙上できるかという筋肉の持久力
●スピード持久力
→速いペースを維持し、それを長く続ける能力

などがあります。

心肺持久力を向上させようと思うと、

最大心拍数の60%以上でトレーニングを行う

ことが条件になるんですね。

この条件に見合った持久力トレーニングを行うことで、各スポーツに必要な持久力が向上します。

スピード

「スピード」は、「速さ」と「スピード」という2つの要素を含んでいます。

・速さ=筋線維のタイプ(速筋 or 遅筋)
・スピード=動作、動き

例えば100mの短距離でいえば、先天的に速筋が多いとタイムが速い。これは後天的に変えられません。これが「速さ」という要素。

もし走り方が不自然な場合、タイムロスが生まれる。この動作をスムーズにすることで、タイムが向上します。これが「スピード」という要素なんですね。

「スピード」という要素は、“変えられる要素”と“変えられない要素”があります。

パワー

パワーとは、筋力とスピードを掛け合わせた要素。パワーを高めるためには、

最大筋力の1/3×最大スピード

でトレーニングを行うことが必要だと言われています。

もしくは「筋力」「スピード」どちらかの要素が向上すれば、自然とパワーは向上します。

調整力

調整力とは、

身体を自由自在に動かせる能力を指し、スキル・技術に直結する要素

です。調整力が最も高いスポーツ選手の1人が「元シアトルマリナーズのイチローさん」。

調整力の向上には、

●コーディネーション
→できることをステップアップする要素(脳が関与)
●コオーディネーション
→難しい、できないことを経験する要素(反応)

この2つの掛け合わせが重要で、それぞれを理解した上でトレーニングする必要があります。

敏捷性

敏捷性は、

正確性×速さで求められる体力要素

です。

具体的な例は、

・ピッチャーがバント処理をして1塁へ正確に送球する
・サッカー選手が、フェイントで相手を抜き去りゴールを決める
・反復横跳びやTドリル

など。

「敏捷性」は「俊敏性」と混同しやすくなっており、適切に分類してそれぞれのトレーニングを行うことが重要です。

柔軟性

柔軟性は、主に2つあります。

●静的柔軟性
→静止状態での柔らかさ(ストレッチング)
●動的柔軟性
→動き(動作)の中での柔らかさ(体操)

スポーツ選手に重要なのは動的柔軟性ですが、静的柔軟性も怪我の予防の観点からも向上させることが必要です。

では、こういった体力要素やコンディショニングを向上させることは、どのような意味があるのでしょうか?

 

コンディショニングトレーニングの効果や本当の意味

コンディショニングトレーニングの効果や意味は、以下の通り。

基礎体力の向上=勝つための土台になる

まず、こちらをご覧ください。

一番下から「基礎体力」「スキル」「戦術」などが乗ります。この「基礎体力」の部分が、コンディショニングになるんですね。

基礎体力=コンディショニングレベルが高いと土台が大きくなり、その上に積み重なる技術や戦術も大きく高くなる。つまり、個人・チームともに強くなるということ。

だから、土台であるコンディショニングを高めたり整えたりする必要があるわけです。

トレーニングと練習を並行する重要性

練習=スキル・技術トレーニングです。

真ん中の部分に時間を割いても、土台がしっかりしていないとピラミッドは大きくならない。

だから練習だけでなく、コンディショニングトレーニングも並行する必要があるんですね。

必ず全ての体力要素をトレーニングすること

コンディショニングトレーニングで重要なのは、

全ての体力要素を整え、その中で全体を向上させることが重要

ということ。

例えば、筋力トレーニングだけサボるとしますよね。すると、こんな感じになります。

このときのコンディショニングレベルは、一番低い筋力のラインになります。

理想は、以下のような全体が整った状態。

こういった身体的要素だけではなく、防衛的・精神的・栄養・休養も同じように全体のバランス整えて向上させることが何よりも大切です。

では具体的に、コンディショニングレベルを向上させるために、どのようなトレーニングをすればいいのでしょうか?

 

コンディショニングトレーニングの具体的な6つの方法

必要なコンディショニングトレーニングは、

・目的や課題
・現状の体力レベル
・トレーニングの経験年数
・競技特性
・年齢

など、さまざまな要因によって変わります。

ただ今回はコンディショニングトレーニングを理解しやすいように、各トレーニングがどのような方法で行われるかをご紹介します。

①筋力トレーニング

具体的な方法は、

・ウエイトトレーニング
・レジスタンストレーニング
・自重トレーニング
・スロートレーニング
・加圧トレーニング

などを活用して、筋力を向上させます。

ウエイトトレーニング

ウエイトトレーニングは文字通り、ウエイト(重量物)を活用して筋力を向上させるトレーニング。大胸筋を鍛えるトレーニング例は、以下の通り。

1、ベンチに仰向けになり、肩の真上でダンベルを持つ
2、胸の横にダンベルを下げる
3、肩の真上にダンベルを押し上げる
4、これを10回×3セット行う

野球選手のウエイトトレーニングについては以下の記事で詳しく解説しているので、こちらも参考にご覧ください。

スロートレーニング

スロートレーニングは、文字通りスローで行うトレーニング方法のこと。

1、脚を肩幅に開く、つま先も軽く開く
2、体重は足裏全体に乗せておく
3、軽く膝を曲げ、全身を緊張させる
4、4秒間かけて真下にしゃがむ
5、4秒間かけて立ち上がる
6、これを10回×3セット行う

スロートレーニングは、筋肉の中が低酸素状態になるまで反復を続けます。すると速筋線維が刺激され、低負荷でも筋力を高めることができるケガのリスクが低いトレーニングなんですね。

スロートレーニングについては、こちらをご覧ください。

②持久力トレーニング

持久力トレーニングは、

・5分間走
・1500m走
・20mシャトルラン
・インターバル走

などがあります。

心肺持久力を向上させるためには、

最大心拍数の約60%以上の強度でトレーニングを行うことが必要

です。

約120拍/分以上の心拍数でトレーニングを継続すれば、心肺機能は高まります。簡単にできる方法は、以下の通り。

その場でジャンプを5分間継続

1、脚を肩幅に開く
2、その場で軽くジャンプを繰り返す
3、これを5分間継続する

トランポリンを跳ぶ

1、トランポリンに乗り、脚を肩幅に開く
2、その場でジャンプを繰り返す
3、これを5分間継続する

バイクのペダルを早くこぐ

1、バイクに乗り、踵辺りをペダルに乗せる
2、その状態でできるだけ早くペダルをこぐ
3、これを5分間継続する

こういったイメージで心臓を上下に揺らし、心拍数を上げます。週2~3回以上の頻度で行えば、持久力が向上します。

これら以外の具体的なトレーニング方法は以下の記事で紹介しているので、こちらも参考にご覧ください。

③スピードトレーニング

スピードトレーニングは、

どのようなスピードを向上させたいのか?

によって方法が大きく変わります。

野球選手のスイングスピードの向上については以下の記事で詳しく解説しているので、こちらをご覧ください。

④敏捷性・俊敏性トレーニング

敏捷性&俊敏性。それぞれのトレーニング方法は以下の記事で詳しく解説しているので、こちらを参考にご覧ください。

⑤調整力トレーニング

調整力に関するトレーニング方法は以下の記事で紹介しているので、こちらを参考にご覧ください。

⑥柔軟性トレーニング

タイトルは少し違いますが、両方のトレーニング方法はYoutubeで公開しているので、こちらをご覧ください。

動的な柔軟性トレーニング

静的な柔軟性トレーニング

こういったコンディショニングトレーニングを計画的に実践することで、選手やチームの底上げができます。

そこに練習などが積み重なることで勝てる集団に変わるので、今回の内容がコンディショニング向上のきっかけになれば嬉しく思います。

 

コンディショニングとは?知っておきたい5つの柱と意味・効果・トレーニング方法のまとめ

今回は、コンディショニングとは?知っておきたい5つの柱と意味・効果・トレーニング方法について解説しました。

・コンディショニング=身体的・精神的・防衛的・栄養・休養のこと
・身体的の中には、バイオモーターアビリティが含まれる
・これらすべてを整え、向上させることが重要
・コンディショニング(基礎体力)は、スキルや戦術の土台になっている
・コンディショニングレベルが低いまま練習だけをすると、いつか伸び悩む
・必ずトレーニングと練習を並行する必要がある

ライバルに勝つためにも自分の目標を実現するためにも、今回の内容は非常に重要です。少しでもコンディショニング意味や効果が伝わればうれしいですね。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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