今回の記事の内容
俊敏性(クイックネス)とは?意味を解説

俊敏性【英:quickness(クイックネス)】とは、素早さ・スピードなど「速さのみ」を指す体力要素です。よく「敏捷性」と混同されますが、敏捷性は「速さ×正確性」。2つの体力要素の言葉は似ていますが、意味は全く別物。トレーニング方法を見ると、理解がより深まると思います。
●俊敏性=ラダートレーニング
→足を引っかけても問題ではなく、速く動作を行うことが目的
●敏捷性=反復横跳び
→左右のラインを跨ぎつつ、正確により速く動くことが目的
敏捷性と俊敏性の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
敏捷性(アジリティ)と俊敏性(クイックネス)の違いとは 敏捷性(アジリティ)と俊敏性(クイックネス)には明確な違いがあり、以下の通り。 ・敏捷性(アジリティ)=速さ×正確性 ・俊敏性(クイックネス)=速さのみ 敏捷性は速さと正確性を兼ね備えた体力要素であり、代表的なトレーニングは「反復横跳び...
俊敏性は向上ではなく維持が目的になる
俊敏性の本質である「速さ」は、筋線維のタイプのことを指します。筋肉には速筋と遅筋があり、多くの場合50:50に近い割合で存在します。この割合は、先天的な要素(遺伝)で決まるそうです。
速筋の割合が多いと、その分速さの最大値が高い。つまり脚が速かったり、投げるボールなどが速くなる。ここで重要なのは、速さの最大値は速筋の割合によって変わりますが、割合に関係なく自分が持っている最大速度を維持する必要があるということ。
①速筋と遅筋の割合が80:20
→日頃からだらだら動き、最大速度で動いていない
②速筋と遅筋の割合が60:40
→毎日最大速度で動き、筋肉の最大収縮速度を維持している
両者を比べた場合、速さの最大値は①の方が高い。ただ発揮できる速さは、後者の方が速い可能性があります。①は最大収縮速度を維持できておらず、いざ発揮しようと思っても55や50などしか発揮できません。
俊敏性にはこういった意味が含まれており、俊敏性トレーニングでは筋肉の最大収縮速度を維持する目的で実施しておく必要があります。そこで行うのが、ラダートレーニングなどになるわけです。
俊敏性トレーニングを行う際の注意点

俊敏性トレーニングを行う際は、意識や声掛けなどに注意を払う必要があります。
①緊張や力まないようにする
筋肉の最大収縮速度を発揮するためには、リラックスすることが重要です。リラックスすることでスムーズな動作ができ、最大の速さで動くことができます。
速く動こうとするあまり、過度に緊張したり力み過ぎてしまう。すると、スムーズな動作ができずに筋肉の最大収縮速度が発揮できません。その結果、スピードの低下につながってしまう。
それを防ぐためには、まずリラックスすること。その中で最大の速さで動くようにすることが重要です。
②「頑張れ」「速く」などの声掛けはNG
①と被りますが、チームメイトなどがラダートレーニングを行っているときに「頑張れ」「速く」と声をかけるのはNG。この言葉だけで緊張が生まれ、動作が遅くなります。
最大の速度で動けていない場合は「速く」と言葉がけする場合もありますが、基本的には行ってほしい速さのリズムを「トントントントン…」と伝えたりします。すると緊張が生まれにくく、最大収縮速度を発揮することができます。
③最大収縮速度を発揮するという目的意識を持つこと
俊敏性(ラダー)トレーニングをする場合、ただステップするだけの選手も出てきます。俊敏性トレーニングの目的は、筋肉の最大収縮速度を発揮させ維持すること。いわゆる最大の速さで動く必要があります。
この目的意識を持っていないと、なんとなくラダートレーニングを行っても意味がありません。必ず目的意識を持ち、その目的に合った動作・動きをする必要があります。
④種目間の休息時間をしっかりとること
ラダートレーニングなどを行うと、ある程度疲労します。疲労が蓄積すると、最大収縮速度を発揮できません。最大速度で動くためには、息が落ち着くまで休息をとること。1つの目安とすれば、種目間は1分間ぐらい休みます。
息が落ち着けば次の種目を実践し、最大速度を発揮する。この繰り返しで、求める目的を達成できます。では具体的に、どのような俊敏性トレーニングを実施すればいいのでしょうか?
俊敏性(クイックネス)を向上させる7つのトレーニング方法

俊敏性(ラダー)トレーニングのバリエーションは、以下の通り。
①シングルステップ
1、枠に対して1歩ずつステップを踏む
2、腕も同時に動かし、できるだけ速くステップを踏む
3、これを2本行う

②ダブルステップ
1、枠に対して2歩ずつステップを踏む
2、腕も同時に動かし、できるだけ速くステップを踏む
3、これを2本行う

③サイドステップ
1、ラダーの前に横向きに立ち、目印をまたぐ
2、真横にステップし、両足で目印をまたぐように進んでいく
3、これを2本行う

④バックステップ
1、ラダーの前に後ろ向きで立つ
2、枠に対して1歩ずつステップを踏む
3、腕も同時に動かし、できるだけ速くステップを踏む
4、これを2本行う

⑤ダブルバックステップ
1、ラダーの前に後ろ向きで立つ
2、枠に対して両足でステップを踏む
3、できるだけ速くステップを踏む
4、これを2本行う

⑥ツイストジャンプ
1、ラダーの前に正面を向いて立つ
2、両脚を揃え、体幹は正面を向けておく
3、両脚を左右に捻りながら、1枠ずつステップを繰り返す
4、これを2本行う

⑦ジグザグステップ
1、ラダーの前に正面を向いて立つ
2、片脚を枠内に入れ、もう一方の脚は外に出す
3、次の枠では、脚を入れ替えるようにステップする
4、左右ジグザグに動くようにステップを繰り返す
5、これを2本行う

これをウォーミングアップの後半に行います。ウォーミングアップの方法は、以下の記事を参考にご覧ください。
野球選手が行うウォーミングアップ。内容によって、身体の動かしやすさが大きく変わります。やってほしいことは「心拍数を上げる」「体操」「バランストレーニング」「クイックネストレーニング」など。この記事では、 ・野球選手に行ってほしいウォーミングアップの5つのメニュー ・ウォーミングアップで気...
まとめ

今回は、俊敏性の意味・注意点・トレーニング方法を解説しました。改めて今回の内容をまとめると、以下の通りです。
・俊敏性とは、速さのみの体力要素
・敏捷性は速さ×正確性で、俊敏性とは異なる
・俊敏性は、筋肉の最大収縮速度を維持させることが目的
・ラダートレーニングが俊敏性を維持するトレーニングになる
・トレーニング中は「頑張れ」「速く」などの声掛けはNG
・リラックスしてスムーズに動くことが重要
・俊敏性トレーニングは、基本的に毎日行う必要がある
俊敏性と敏捷性は似ている言葉ですが、本質は全くの別物。適切に区別し、目的に合ったトレーニングを行う必要があります。今回の内容が少しでも参考になれば嬉しく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。




































.jpg)


コメント