つま先立ち・つま先歩きは果たして健康に良いのか?結論から言えば、あまりおすすめできません。デメリットも多い一方で、すべてがダメというわけではありません。効果的な側面もあります。
大切なのは、目的に合ったやり方を適切に行うこと。これができると、求める成果を実感できます。ただトレーナーとしては「実践しなくても身体の悩みは改善できる」と言えそうです。
この記事では、
・つま先立ち・つま先歩きのメリット
・つま先立ち・つま先歩きのデメリット
・つま先立ち(カーフレイズ)のやり方や注意点
・つま先立ちスクワットのやり方
・よくある質問
などを解説します。
今回の記事の内容
つま先立ち・つま先歩きで使われる筋肉

つま先立ち・歩きを行うことで、よく使われる筋肉は以下の通り。
腓腹筋・ヒラメ筋
つま先立ち・つま先歩きでメインで使われる筋肉は、腓腹筋とヒラメ筋などふくらはぎの筋肉です。

またこれらの筋肉以外にも、「後脛骨筋」「長趾屈筋」「長母趾屈筋」などが補助的に働きます。これらの筋肉もすべて、ふくらはぎにある筋肉になります。
つま先立ち・つま先歩きの効果・メリット

つま先立ち・つま先歩きの効果やメリットは、以下の通り。
①ふくらはぎが鍛えられる
まず考えられるメリットは、
ふくらはぎの筋肉が鍛えられる
ということ。踵を浮かせた状態で過ごすと、ふくらはぎの筋肉の血流が低下して低酸素状態になります。重だるさが出てきて、ふくらはぎの速筋に刺激が加わります。そうすると、ふくらはぎ全体の筋肉が鍛えられるんですね。
②下半身が引き締まる
続いては、
下半身が引き締まる
ということ。つま先立ち・つま先歩きを休み休み行うと、下半身の遅筋といって赤身の部分に刺激が加わります。このタイプの筋肉に刺激が加わると、筋肉そのものが細く引き締まっていきます。
ですので、日常生活の中で時々つま先立ちやつま先歩きを行うと下半身が引き締まる可能性もあります。
③お腹痩せも期待できる
続いては、
お腹痩せも期待できる
ということ。実際につま先立ち・つま先歩きを実践してみてください。すると、以下のような違いを実感できます。
| 普段通り | ・下半身やお腹はリラックス ・重心の位置は低い |
| つま先立ち・歩き | ・下半身やお腹が適度に緊張する ・重心の位置が上がる |
重心の位置が上がると、身体全体が縦に引き伸びたような感覚になります。またお腹の筋肉に刺激も加わりやすいため、これらによってお腹痩せすることできます。
④ダイエットのプラスになる
続いては、
ダイエットのプラスになる
ということ。足裏全体を地面につけて立ったり歩くと、普段通りなので疲労感を感じません。ただつま先立ち・つま先歩きをすると、すぐに疲れると思います。
これは普段よりも消費エネルギーが多いことを示しており、続けることでダイエットのプラスになります。ただ劇的に痩せるわけではなく、大幅な体重減少を求める場合は食事制限も必須です。
⑤高齢者の骨粗鬆症・筋力低下の改善に役立つ
続いては、
高齢者の骨粗鬆症・筋力低下の改善に役立つ
ということ。つま先立ち・つま先歩きをすると、普段よりも下半身や体幹周りの筋肉への刺激が増加します。日頃運動していない高齢者の方は、これだけで骨粗鬆症・筋力低下の予防や改善に役立ちます。
足腰が鍛えられるため、間接的には転倒予防や歩行困難のリスクの低下にもつながります。
⑥血圧が下がる可能性がある
もう1つは、
血圧が下がる可能性がある
ということ。日頃運動不足の方が、休み休みつま先立ち・歩きを行うと下半身などの筋肉が柔らかくなってきます。筋肉が柔らかくなると、血圧が下がる可能性があるんですね。
逆に筋肉が硬くなると交感神経が優位となり、血流が悪くなります。その結果、血圧が上がる可能性もあります。ここで注意しておきたいのは、つま先立ち・歩きをすれば血圧が下がるということではありません。
過度にやりすぎて筋肉が硬くなると、血圧が上がる可能性もあるのでやり方には注意が必要です。では反対に、つま先立ち・歩きはどのようなデメリットがあるのでしょうか?
つま先立ち・つま先歩きのデメリット

つま先立ち・つま先歩きのデメリットは、以下の通り。
①ふくらはぎの筋肉が硬くなる
まず考えられるのが、
ふくらはぎの筋肉が硬くなる
ということ。先ほど効果・メリットのところでお伝えしましたが、つま先立ち・歩きはふくらはぎを“鍛えられる”側面があります。ただこの「鍛える」という言葉には、以下のような意味があるんですね。
いわゆる鍛える=硬くする、という意味が含まれています。つま先立ち・歩きをすると、腓腹筋やヒラメ筋がストレスを受けます。

このストレスを受ける時間が長ければ長いほど、ふくらはぎの筋肉が緊張し硬くなってしまう。この筋肉の硬さが、以下でお伝えするさまざまな不調につながる可能性があるんですね。
②むくみがひどくなる
ふくらはぎが硬くなると、
むくみがひどくなる
可能性があります。筋肉が硬くなると、まず内圧が高まります。内側に締めつける圧力が高まり、血管・リンパ管を圧迫。すると、リンパ液の流れが悪くなります。その結果、ふくらはぎ全体が非常にむくむんですね。
実際にはふくらはぎだけではなく、お腹や太ももなどの筋肉が硬くなってみぞおちより下側のむくみがひどくなります。
③疲労が増して重だるさもひどくなる
ふくらはぎのむくみがひどくなると、
老廃物が滞って重だるさや疲労感が増す可能性
があります。これは経験ある方も多いと思いますが、むくみがひどくなると重だるさが増します。これは老廃物が滞っている影響もあるんですね。
また筋肉は柔らかい状態であれば血流が良く、自然な状態と言えます。筋肉が硬くなることで、不自然な状態となります。それぞれの違いは、以下の通り。
| 筋肉が柔らかい | ・血流やリンパ液の流れが良い ・酸素や栄養素を細胞に届けやすい ・二酸化炭素や老廃物を代謝しやすい ・疲労感をあまり感じない |
| 筋肉が硬い | ・血流やリンパ液の流れが悪い ・酸素や栄養素を細胞に届けにくい ・二酸化炭素や老廃物を代謝しにくい ・疲労感を感じやすい |
こういった違いによって、疲労感やだるさの違いが出る可能性があります。
④下半身やお腹が太くなる
続いては、
下半身やお腹が太くなる
ということ。常につま先立ち・歩きをしていると、下半身やお腹の筋肉が硬くなってむくみがひどくなる。また、脚の関節が捻じれる。これらによって、たるみや太さが増す可能性があります。細かく言えば、以下の通り。
| 筋肉の張り | ・ふくらはぎがボコッと張り出す ・前ももがパンパンに張る ・お腹も硬くなってぽっこり出る |
| 関節の捻じれ | ・ふくらはぎの内側、外側が張ってくる ・膝周りのたるみがひどくなる ・内もも、外ももの張りがひどくなる |
| むくみ | ・ふくらはぎ全体が太くなる ・膝裏がぽっこり出る ・内もものたるみ感が増す ・下腹がぽっこり出てしまう |
これらすべてつま先立ち・歩きが原因となって、下半身やお腹の太さにつながってしまうんですね。
⑤ふくらはぎの痛みやアキレス腱炎などが発生する
続いては、
ふくらはぎの痛みやアキレス腱炎などが発生する
ということ。上記でも、つま先立ち・歩きが筋肉の緊張の原因になるとお伝えしました。筋肉が過度に緊張し、そのストレスに耐えられないと痛みにつながる可能性があります。
| 腰部・腹部 | ・坐骨神経痛(腰痛) ・便秘 |
| 太もも | ・大腿四頭筋腱炎 ・大腿二頭筋腱炎 ・腸脛靭帯炎 ・内転筋腱炎 など |
| ふくらはぎ | ・腓骨筋腱炎 ・後脛骨筋腱炎 ・アキレス腱炎 など |
| 足裏 | ・足底筋膜炎 |
特にふくらはぎやアキレス腱周辺の痛みは発生しやすく、つま先立ち・歩きをやめると改善する可能性が高いです。
⑥足首の関節が捻じれる
続いては、
足首の関節が捻じれる
ということ。これは上記の痛みと通じる部分で、足首の関節が捻じれるとアキレス腱も捻じれます。アキレス腱が捻じれると、アキレス腱炎も発生しやすくなるんですね。
さらにも足首が捻じれるとふくらはぎの形状が変化し、内側や外側の太さが目立つようになります。
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⑦全身の崩れに影響する
続いては、
全身の崩れに影響する
ということ。先ほど“足首が捻じれる”とお伝えしましたが、実は部分的な捻じれや歪みは全身に波及します。
・足首が捻じれると、膝関節が捻じれる
・膝関節が捻じれると、股関節が捻じれる
・股関節が捻じれると、骨盤が歪む
・骨盤が歪むと、脊椎が歪んだり捻じれる
・脊椎が歪んだり捻じれると、頭部の位置がズレる
・頭部の位置がズレると、肩甲骨の位置もズレる
・肩甲骨の位置がズレると、肩や腕が捻じれる…
といった感じで、全身が崩れます。ここから派生する不調や痛みは数多く、さまざまなカラダやココロの悩みにつながってしまいます。長く続く不調や痛みは、つま先立ち・歩きが原因になっている可能性が十分考えられます。
⑧第二の心臓のポンプ作用の低下
続いては、
第二の心臓のポンプ作用の低下
が考えられます。先ほど、つま先立ち・歩きでふくらはぎが硬くなるとお伝えしました。このふくらはぎは、第二の心臓と言われています。血流やリンパ液の循環を促す作用もあり、身体を健康に維持するためにも重要な働きをしています。
つま先立ち・歩きを継続すると、このポンプ作用が低下する可能性があります。その結果、血圧が上がったりむくみやすくなる可能性もあるんですね。その他にも細胞が活性化しづらく、だるさや疲労感が抜けないといった悩みにもつながります。
⑨血圧が上がる可能性がある
続いては、
血圧が上がる可能性がある
ということ。つま先立ち・歩きで筋肉が硬くなると、交感神経が優位になります。すると循環が悪くなり、血圧も上がってしまいます。
ただ適度なつま先立ち・歩きは、筋肉を柔らかくする作用があるので、血圧を下げる効果が期待できます。過度にやりすぎた場合は、逆効果になる可能性があるんですね。
⑩外反母趾がひどくなる
もう1つは、
外反母趾がひどくなる
ということ。先ほどつま先立ち・歩きをすると、足首が捻じれるとお伝えしました。ここから派生し、足首が捻じれると足元にある複数の関節が捻じれます。この影響で、外反母趾がひどくなる可能性があるんですね。
では適切に効果を引き出すためには、どのようなつま先立ちをすればいいのでしょうか?
つま先立ちトレーニング(カーフレイズ)のやり方と注意点

つま先立ちトレーニング(カーフレイズ)のやり方や注意点は、以下の通り。
基本的なフォーム:健康・シェイプアップ編
1、足を腰幅に開く
2、つま先を軽く開く(左右各15~16度)
3、つま先全体に体重を乗せてかかとを上げる
4、脱力するようにかかとを下げる
5、これを軽く20回×3セット行う

基本的なフォーム:筋力向上・筋肥大
1、足を腰幅に開く
2、つま先を軽く開く(左右各15~16度)
3、つま先全体に体重を乗せてかかとを上げる
4、地面にかかとがつかないように下げる
5、かかとが浮いた状態で1分間動き続ける
6、これを3~5セット行う

目的に応じた休息時間や頻度
| 休息時間 | 健康:約30秒 筋肥大:約1分 |
| 頻度 | 健康:毎日 筋肥大:週2~3回 |
注意点
注意点はそれぞれ異なり、以下の通り。
| 健康・引き締め目的 | ・必ず1回1回かかとを地面につける ・できるだけリラックスして行う ・かかとを下げる場合は、ストンっと脱力する ・口から息を吐きながらつま先立ちになる |
| 筋力向上・筋肥大目的 | ・常にかかとを上げて休まない ・熱い、だるい感覚が出るまで続ける |
つま先立ちスクワットの効果やメリット・デメリット

続いては、つま先立ちスクワットの効果やメリット・デメリットを解説します。
つま先立ちスクワットとは?
つま先立ちスクワットとは、文字通りつま先立ちの状態で行うスクワットです。

効果・メリット
つま先立ちスクワットの効果・メリットは、以下の通り。
・足元が不安定なので、より多くの筋肉が刺激される
・通常のスクワットよりも下半身の筋肉が鍛えられる
・バランス能力が向上する
デメリット
つま先立ちスクワットのデメリットは、以下の通り。
・足元が不安定なので、狙った筋肉に効かせづらい
・下半身の筋肉が過剰に緊張してしまう
・膝や足首周辺を痛めやすい
・フォームを維持するのが難しい
かかとをつけるのとどちらがいい?
個人的には、足裏全体を地面につけて行うスクワットの方がおすすめ。この方が、バランスもとりやすく安全。また目的に合ったフォーム・動作ができるので、求めている成果も得やすい。
感覚的にきつさはつま先立ちスクワットの方がありますが、実際は負荷や重量が同じであれば効果に大差はありません。ですので、足裏全体を地面につけて行うスクワットで十分ですね。
よくある質問

つま先立ち・歩きに関するよくある質問は、以下の通り。
Q、つま先立ちは1日何回すればいい?
目的や個人によって変わります。ただ目安とすれば、以下の通りになります。
| 健康 | 10回 / 日 でも効果あり |
| シェイプアップ | できるだけ数多く(100回以上) |
| 筋肥大 | 限界まで行う(パンパンに張るまで) |
| 筋肉をゆるめる | 10回を朝・昼・夜と行う |
あくまでも最低回数を表現すると、こんな感じです。
Q、つま先立ちは痩せる?
つま先立ちは、若干痩せやすくなります。この痩せる=体重減少と捉えると、ほぼ痩せません。ただ痩せる=引き締めと捉えると、効果は期待できて痩せます。
つま先立ちをすると消費カロリーが若干増加するため、ダイエットのプラスにはなります。ただ食事も一緒に制限しないと、目に見えての変化は実感しづらいですね。
Q、ずっとつま先立ちをしてるとどうなる?
下半身やお腹の筋肉がパンパンに張って、疲労感が増加します。また腰痛や膝痛、ふくらはぎの痛みも発生しやすくなります。メリットよりも、デメリットの方が多くなってしまいます。
Q、つま先立ちでふくらはぎは細くなる?
逆に、太くなる可能性の方が高いです。つま先立ちをし続けると、常にふくらはぎにストレスがかかります。その結果、筋肉の張り・むくみなどがひどくなって太くなるんですね。
細くしたい場合は、いかにストレスを与えないか。ここを考えて身体を動かしたり緩める方が、よりふくらはぎは細くなります。
Q、つま先立ちをすると健康になる?
答えはNOです。もちろんつま先立ちを少しだけすれば、ふくらはぎが緩んで健康的にはなれます。ただつま先立ちを続けると、筋肉が硬くなってしまう。
筋肉が硬くなると血流が悪くなり、細胞に栄養素や酸素が届けづらくなります。さらに二酸化炭素や老廃物を代謝しづらくなり、結果的に健康のマイナスになる可能性があります。
まとめ

今回は、つま先立ち・歩きのメリット・デメリットなどについて解説しました。改めてまとめると、デメリットは「ふくらはぎの筋肉が硬くなる」「むくみがひどくなる」「重だるさもひどくなる」「ふくらはぎが太くなる」「アキレス腱炎などが発生する」など。
メリットは「ふくらはぎが鍛えられる」しか考えられません。つま先立ち・歩きに興味がある方の参考になれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!




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