筋トレ後の「便秘」「下痢」は、「トレーニング強度が高すぎる」「トレーニング量が多い」「自律神経が乱れている」など、さまざまな要因によって起こる可能性があります。
この記事では、
・筋トレ後に便秘や下痢になる原因
・筋トレ後に起こる便秘や下痢の4つの改善方法
などを解説します。
今回の記事の内容
筋トレ後に便秘や下痢になる原因

原因は、以下の通り。
筋トレ後に筋肉を緩めていない
まず考えられるのは、
ハードな筋トレ後に体幹周辺の筋肉を緩めていない
ということ。ハードに筋トレを行うと、体幹の筋肉は緊張します。筋トレ後、筋肉をゆるめる習慣がない。すると、筋肉は徐々に硬さが増します。人間の身体はつながりがあり、
・腹直筋
・背筋
・殿筋(お尻の筋肉)
・腸腰筋
こういった体幹周辺の筋肉が硬くなることで、腸の働きが悪くなるんですね。



その結果、便秘や下痢になることがあります。僕の感覚で言えば、トレーニング強度が高過ぎると下痢になるケースが多いですね。
エネルギー不足
続いて考えられるのは、
胃腸へのエネルギーが不足している
ということ。
・食事量が少ない
・栄養バランスが悪い
・体質 など
の問題によって、エネルギーが不足すると血糖値が下がります。さらに、トレーニングでよりエネルギーを消費する。
すると、アドレナリンやノルアドレナリンが過剰に分泌されます。これらのホルモンは血管を収縮させる作用があり、、胃腸粘膜への酸素やブドウ糖の供給量が減るんですね。その結果、胃腸の消化・吸収能力が低下して便秘になる可能性があります。
ハードなトレーニングで自律神経が乱れてしまう
続いて考えられるのは、
ハードな筋トレによって自律神経が乱れてしまった
ということ。ハードな筋トレを行う場合、
・働きすぎ
・睡眠不足
・生活習慣の乱れ など
これらが重なるとストレスが過剰になります。すると、自律神経のバランスが乱れます。腸はリラックスして副交感神経が優位なときに活発に働くため、ストレス過多になってしまうと便秘や下痢になることがあります。
自律神経が乱れているサインとしては、
・心拍数の増加(息切れしやすい)
・血圧が高い
・体温が35度台
・呼吸が浅い
など。こういった状態でトレーニングを継続すると、便は通常通りには出にくくなります。
ホエイプロテインを飲んでいる
別の角度の原因としては、
ホエイプロテインを飲んでいる
ということ。特に牛乳に混ぜて飲んでいる方は、要注意です。ホエイプロテインの成分の1つに乳糖(にゅうとう)といって、
・ブドウ糖
・ガラクトース
という2つの単糖類から構成される炭水化物があります。この乳糖は、牛乳などにも含まれている糖分のことです。
乳糖は大人になると消化しきれず、大腸に届いてしまう。すると、大腸にいる細菌が反応したり、乳糖を異物として認識して処理をしようと腸内が反応します。その結果、
・細菌が反応して、乳糖をガス・二酸化炭素・乳酸に変換する
・腸内の水分量が増加する
・ガスと水分が増すことで、下痢やおなら、げっぷなどが出やすくなる
という反応が起こります。ですので、筋トレ後に牛乳にホエイプロテインを飲んでいる方は、これが原因で下痢になっている可能性があります。
では具体的に、どのようなことをすれば筋トレ後の便秘や下痢を改善することができるのでしょうか?
筋トレ後になる便秘や下痢の改善方法①:筋トレ後に体幹周辺を緩める

まず行ってほしいのは、
筋トレ後に全身の筋肉を緩めること
です。これだけでもお腹の調子は変わるので、ぜひ実践してみてください。
1、腹直筋を緩める
1、地面にうつ伏せになり、脚を肩幅に開く
2、両手を身体の横につき、身体を反らせる
3、お腹を心地よく伸ばし、この状態を30秒間キープする

2、腹直筋や腹斜筋を緩める
1、地面に座り、開脚をする
2、片脚は曲げ、伸ばしている脚へ身体を横向きに倒す
3、体側を伸ばすイメージで、左右各30秒間キープする

3、横向きで腹直筋や腹斜筋を緩める
1、地面に横向きになり、脚を揃える
2、下側の腕を伸ばし、体側を気持ちよく伸ばす
3、この状態で、左右各30秒間伸ばし続ける

3つの方法を「各30秒」とお伝えしましたが、もしお時間がある方は「各2分間」に伸ばしてみてください。その方がよりお腹周りの筋肉が緩み、筋トレ後の便秘や下痢を改善することができます。
筋トレ後になる便秘や下痢の改善方法②:お腹周りを揺らして緩める

さらに実践してほしいことは、
お腹周りの筋肉を揺らして緩める
という方法です。お腹周りの筋肉を揺らすことで、
・お腹全体の筋肉が緩む
・お腹周辺の血流が改善する
・同時に腸の働きが良くなる
こういった反応が出ます。
具体的な方法は「胃のあたりがぽっこり出る原因と筋トレ以外で引っ込める4つの手順」の冒頭にある動画内容を実践してみてください。
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筋トレ後になる便秘や下痢の改善方法③:休息時間に筋肉を緩める

筋トレ後の対応だけでなくトレーニング中の、
・セット間
・種目間
などにお腹を緩めても便秘や下痢の改善につながります。ここからご紹介する方法を何か1つでOKなので、休息時間に実践してみてください。
1、横腹を縮めるように身体を左右に倒す
1、脚を肩幅に開き、両肘を軽く曲げる
2、骨盤の位置を固定し、身体を左右に軽く倒す
3、1分間程度、休息時間に行う
2、身体を左右に倒しつつ腕を上げる
1、脚を肩幅に開き、肩の前で手を構える
2、身体を横側へ倒し、片腕を天井方向へ上げる
3、体側を気持ちよく伸ばし、上げた腕を一気に落とす
(このとき、倒した身体も元の位置に戻す)
4、左右交互に行い、1分間程度行う
3、骨盤を軽く前後傾させる
1、脚を肩幅に開く
2、骨盤を前傾させたり、後傾させたりする
3、1分間行う
筋トレ後になる便秘や下痢の改善方法④:自律神経を整える

日頃ストレスが多い方は、ゆるめる方法とあわせて自律神経を整えることも必要です。自律神経を整えると、
・身心ともにリラックスする
・腸の働きが良くなったり、整ったりする
・便秘や下痢の改善につながる
ということが考えられます。自律神経を整える具体的な方法は以下の記事で解説しているので、こちらを参考にしてみてください。
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筋トレ後になる便秘や下痢を改善するその他の方法

もし上記の内容で便秘や下痢の改善がみられない場合、以下の方法も参考に実践してみてください。
一週間程度筋トレを休む
もし下痢が続いてゆるめても改善がみられない場合、オーバーワークの可能性があります。こういった方の場合、一週間程度筋トレを休めば下痢が改善するケースがあるんですね。
・疲労がなかなか抜けない
・微熱が続いている
・筋トレのやる気が起こらない
・筋トレの記録が伸び悩んでいる
上記に該当する方はオーバーワークの可能性が高いので、休んで状態の変化を見ましょう。
ホエイプロテインをやめる
ホエイプロテインを飲んで下痢になる場合、乳糖が身体に合ってない可能性があります。そんな方は、ソイプロテインに変えてみてください。ソイプロテインだと大豆がメインなので、下痢は改善されるはずです。
実際に僕が使っているのは、かなり安いソイプロテインです。味は微妙ですが、試すのにはおすすめですね。
≫ソイプロテイン ボディウィング
腸を活性化させる
筋トレ後の便秘に悩んでいる方は、
・納豆
・ヨーグルト
・発酵食品
こういったものを意識的に食べ、身体の中から腸を刺激することも1つの方法です。
特に女性の場合、こういった食べ物を意識的に食べるだけで、便秘の改善につながるケースが非常に多いんですね。この辺りについては以下の記事で詳しく解説しているので、こちらを参考に実践してみてください。
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筋トレ後に「便秘」や「下痢」になる原因と改善する4つの方法のまとめ

今回は、筋トレ後に便秘や下痢になる原因と改善方法について解説しました。
・筋トレで体幹周辺をハードに追い込んでいる
・体幹周辺の筋肉が非常に硬くなる
・腸の働きが悪くなる
・便秘や下痢につながる可能性がある
・改善のためには筋トレ後、徹底的に筋肉を緩める
・お腹周りを揺らし、循環改善を行う
・そうすると便秘や下痢を改善することができる
筋トレ後の体調不良に悩まれている方も多くいますが、すべては内容次第。筋トレ=健康に良い・悪いと言われることもありますが、内容によってどちらにも転びます。
今回お伝えした便秘や下痢の悩みも、原因を取り除くことができれば改善できます。上記でお伝えしたことが少しでも参考になればうれしく思います。今回は以上です。最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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