スクワットをすると、お尻や内ももではなく外ももばかりに効く。トレーニング後は太ももの外側がパンパンになり、「このまま続けると脚が太くなるのでは?」と不安になる方もいると思います。
スクワットでは太ももの筋肉も使うため、外ももに多少刺激を感じること自体は異常ではありません。ただ、
・外ももだけが強く張る
・お尻や内ももにはほとんど効かない
・左右どちらかの外ももだけ疲れる
・膝や股関節の外側まで痛くなる
・回数を重ねるほど膝が内側へ入る
といった場合は、フォームや股関節の状態に問題がある可能性があります。
外ももに効きすぎる主な原因は、膝とつま先の向きが合っていない、足裏の重心が偏っている、片脚へ体重が流れている、股関節周辺が硬いなどです。
この状態で重量や回数だけを増やすと、外側広筋や大腿筋膜張筋などがさらに緊張し、外ももの張りが強くなる可能性があります。
この記事では、
・スクワットが外ももに効いてしまう原因
・フォームを確認するセルフチェック
・スクワット前に行いたい股関節調整
・外ももに効かせないスクワットのやり方
・お尻や内ももを使いやすい代替種目
などを、現場での経験も踏まえて神戸・御影にあるパーソナルジムIZURU代表 / 伊藤出が解説します。
スクワットが外ももに効いてしまう原因

スクワットで外ももに効きすぎる場合、種目そのものよりも、しゃがむときの関節の向きや重心位置に問題があるケースが多いです。
①膝が内側へ入っている
最も多いのが、しゃがむときや立ち上がるときに膝が内側へ入るフォームです。
膝が内側へ入ると股関節も内側にねじれ、太ももの付け根外側にある大腿筋膜張筋や、太ももの外側にある外側広筋などが緊張します。
特に、
・しゃがむ瞬間に膝が内側へ入る
・立ち上がるときだけ膝が内側へ寄る
・疲れてくると膝同士が近づく
・片側の膝だけ内側へ入る
といった場合は、外ももへ負担が偏りやすくなります。
②膝とつま先の向きが合っていない
つま先は外側を向いているのに膝は正面、またはつま先は正面なのに膝だけ外側を向くなど、両者の方向がずれると股関節や膝へねじれが生じます。
正しい角度を一律に決める必要はありません。股関節の形には個人差があるため、つま先を正面に固定するより、膝とつま先が同じ方向へ動ける角度を探すことが大切です。
③足裏の内側または外側へ体重が偏る
足裏の一部だけに体重が偏ると、股関節や膝が不安定になります。外ももに効く方は、母趾球側へ体重が流れて膝が内側へ入るケースと、小趾球側へ乗りすぎて外側で踏ん張るケースの両方があります。
スクワットでは、
・かかと
・母趾球
・小趾球
の3点が床に触れた状態を保ち、足裏全体で体重を受けることが重要です。
④片脚へ体重が流れている
しゃがんだときに骨盤が左右どちらかへ移動すると、体重が乗った側の外ももが身体を支え続けます。その結果、片側の外ももだけが張ったり、筋肉痛になったりします。
正面から動画を撮影し、頭・みぞおち・骨盤の中央が大きく横へずれていないか確認しましょう。
⑤股関節周辺の筋肉が硬い
股関節周辺が硬いと、しゃがむときに太ももの骨が自然に動きません。その代わりに膝を内側へ入れたり、骨盤を横へずらしたりして深さを出そうとします。
特に、日頃から内股で立つ、脚を組んで座る、片脚へ体重を乗せる癖がある方は、大腿筋膜張筋などが緊張しやすくなります。
⑥重量が重すぎる・回数が多すぎる
軽い負荷では問題なくできても、重量を増やした途端に膝が内側へ入る方もいます。これは、現在の筋力や身体の使い方に対して負荷が重すぎるサインです。
外ももに効きすぎるときは、重量を増やすよりも、自然なフォームを維持できる負荷まで一度下げましょう。
⑦しゃがむ深さが身体に合っていない
深くしゃがむほど効果が高いとは限りません。股関節や足首の可動域を超えてしゃがむと、膝が内側へ入る、かかとが浮く、骨盤が横へ流れるなどの代償動作が出ます。
まずはフォームを保てる深さで行い、股関節を整えながら少しずつ深くする方が安全です。
スクワットで外ももに効くフォームのセルフチェック

感覚だけでフォームを判断するのは難しいため、スマートフォンを正面と横に置き、自重スクワットを5回ほど撮影してみてください。
正面から確認するポイント
・左右の足幅が同じか
・膝とつま先が同じ方向を向いているか
・膝が内側へ入っていないか
・骨盤が片側へ流れていないか
・左右の足へ均等に体重が乗っているか
特に注目したいのは、立ち上がり始める瞬間です。しゃがむときは整っていても、力を出す瞬間に膝が内側へ入るケースがあります。
横から確認するポイント
・かかとが床から浮いていないか
・上半身が過度に前へ倒れていないか
・腰を反りすぎていないか
・膝だけを前へ動かしていないか
・立ち上がるときにお尻だけ先に上がっていないか
横から見たときに上半身が多少前傾するのは自然です。ただ、つま先側へ体重が流れ、前へ倒れそうな身体を外ももで支えている場合は修正が必要です。
スクワット後の感覚を確認する
10回程度行った後、どこに疲労を感じるか確認します。
・お尻や太もも全体に刺激を感じる:大きな問題はない可能性
・外ももだけがパンパンになる:重心や膝の向きを見直す
・片側だけ張る:骨盤の横ずれを確認する
・膝や股関節に鋭い痛みが出る:運動を中止して状態を確認する
外ももの太さ全般が気になる方は、太ももの外側が太い原因と外もも痩せする方法も参考にしてください。
外ももに効かせないためにスクワット前に股関節を整える

フォームを意識しても膝が内側へ入る方は、股関節周辺の筋肉が硬い可能性があります。まず以下の方法で脚をゆるめてください。
1、座って脚を左右へ転がす
1、椅子に浅く座る
2、脚を腰幅に開く
3、太ももやお腹の力を抜く
4、両脚を左右へ小さく転がす
5、1分間繰り返す
脚の付け根から気持ちよく転がし、大腿筋膜張筋などの緊張をゆるめます。
2、仰向けで膝を3方向に曲げ伸ばす
1、仰向けになり、片膝を立てる
2、膝を軽く内側へ倒して曲げ伸ばす
3、膝を正面へ向けて曲げ伸ばす
4、膝を軽く外側へ倒して曲げ伸ばす
5、各方向30秒ずつ行う
膝を伸ばし切らず、脚の重さを床へ預けるように動かすことがポイントです。
3、その場で浅くしゃがむ
1、脚を肩幅程度に開く
2、つま先を自然な範囲で軽く外側へ向ける
3、足裏全体を床につける
4、力まず数cmだけしゃがむ
5、20回程度繰り返す
深さを出す必要はありません。膝とつま先を同じ方向へ動かし、股関節がスムーズに曲がる感覚を身体に覚えさせます。
スクワットで外ももに効かせない5つの直し方

股関節を整えた後、以下の順番でフォームを修正します。一度にすべてを意識すると身体が硬くなるため、1つずつ確認しましょう。
1、足幅とつま先の向きを調整する
まず、脚を肩幅程度に開きます。つま先は正面へ固定せず、自然にしゃがみやすい範囲で軽く外側へ向けます。
足幅が狭すぎると膝が内側へ入りやすく、広すぎると外側へ踏ん張りすぎることがあります。違和感なく股関節を曲げられる幅を探してください。
2、足裏全体で床を感じる
しゃがむ前に、かかと・母趾球・小趾球の3点が床へ触れているか確認します。
スクワット中も3点を床につけ、内側や外側へ体重が流れないようにします。「強く踏む」のではなく、「足裏全体で床を感じる」程度で十分です。
3、膝とつま先を同じ方向へ動かす
しゃがむときは、膝をつま先と同じ方向へ動かします。膝を無理に外へ押し広げる必要はありません。
鏡を見ながら、膝蓋骨の向きと第2~3趾付近の方向が大きくずれない範囲で行いましょう。
4、真下へしゃがむ
お尻を必要以上に後ろへ引くと、上半身が前へ倒れたり、足裏の一部へ体重が偏ったりします。
身体を上下にまっすぐ動かすイメージで、真下へ軽くしゃがみます。深さよりも、左右均等に動けていることを優先してください。
5、外ももが張らない負荷と回数に下げる
フォームを整えても外ももが強く張る場合は、負荷や回数が多すぎます。
・自重に戻す
・しゃがむ深さを浅くする
・回数を10回程度に減らす
・セット間の休憩を長くする
・外ももが張る前に終了する
正しいフォームで余裕を持ってできるようになってから、少しずつ深さや負荷を増やしましょう。
スクワットで外ももに効くときの代替トレーニング

フォームを修正しても外ももが張る場合は、一時的にスクワットから離れ、別の種目でお尻や内ももを使う感覚を身につけます。
1、ヒップリフト
1、仰向けになり、両膝を立てる
2、脚を腰幅に開く
3、足裏全体を床へつける
4、お尻を締めながら骨盤を持ち上げる
5、20回×2~3セット行う
膝が内側へ入らないようにし、お尻の中央付近へ刺激を感じながら行います。
2、支えありのワイドスクワット
1、壁や椅子へ手を添える
2、脚を肩幅よりやや広く開く
3、つま先と膝を同じ方向へ向ける
4、身体を真下へ軽く下げる
5、10~20回×2~3セット行う
手で身体を支えると余計な踏ん張りが減り、内ももやお尻を使いやすくなります。
3、低い台へのステップアップ
1、低い台の前に立つ
2、片足を台へ乗せる
3、膝とつま先を同じ方向へ向ける
4、台に乗せた脚のお尻を使って立ち上がる
5、左右各10回×2~3セット行う
台が高すぎると膝が内側へ入りやすいため、フォームを保てる高さから始めてください。
スクワットで外ももに効いてしまう方からよくある質問

外ももに効くスクワットは間違いですか?
外ももにも多少刺激が入るのは自然です。ただし、外ももだけが強く張る、お尻や内ももに全く効かない、膝や股関節に痛みがある場合はフォームや負荷を見直しましょう。
スクワットを続けると外ももが太くなりますか?
外側広筋などへ負担が偏った高負荷トレーニングを継続すれば、筋肉が発達する可能性はあります。ただ、短期間で感じる太さの多くは、筋肉の張りやむくみも関係しています。
膝を外へ開けば外ももに効かなくなりますか?
膝を必要以上に外へ押し広げると、今度は足裏の外側へ体重が偏り、外ももやお尻の外側へ負担が集中することがあります。膝はつま先と同じ方向へ自然に動かしてください。
お尻に効かせるには前傾した方がいいですか?
適度な前傾は自然ですが、過度に前へ倒れる必要はありません。上半身の角度より、足裏全体で体重を受け、股関節と膝を一緒に曲げられているかを優先してください。
外ももが痛い場合も続けていいですか?
筋肉の疲労感ではなく、膝や股関節の外側に鋭い痛みがある場合は中止してください。腫れ、熱感、しびれ、安静時痛などがある場合は、医療機関で状態を確認することをおすすめします。
まとめ

今回は、スクワットが外ももに効いてしまう原因と、外ももに効かせないための直し方を解説しました。
・スクワットで外ももに多少刺激が入るのは自然
・外ももだけが強く張る場合はフォームや負荷を見直す
・膝が内側へ入ると大腿筋膜張筋や外側広筋へ負担が偏る
・膝とつま先を同じ方向へ動かす
・足裏の3点を床につけ、左右均等に体重を乗せる
・股関節が硬い場合はスクワット前に筋肉をゆるめる
・フォームを保てる深さ、重量、回数に下げる
・外ももが張る場合はヒップリフトなどの代替種目を行う
スクワットで大切なのは、決められた形へ無理に身体を合わせることではありません。自分の股関節に合った足幅やつま先の向きを見つけ、自然にしゃがめるフォームを習得することです。
まずは重量を外し、股関節をゆるめた後に、浅い自重スクワットからフォームを確認してみてください。今回は以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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